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平成26年度第1四半期(4月〜6月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して5件の報告があり、概要についてお知らせします。
主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成26年4月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 過熱器出口管寄せ |
事故の概要 | ・運転中に過熱器出口保温ケーシング隙間からドレンの滴下を確認。 ・過熱器出口管寄せ近傍からの蒸気漏れが発生していると判断し、ボイラーを停止。 ・過熱器出口管寄せスタブ管1箇所の溶接部に亀裂を発見。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全) ・過熱器出口管寄せ単体や付属する蒸気連絡管の熱伸び影響により、大きな応力が発生し、リーク及び亀裂が発生したものと推定。 |
再発防止対策 | ・漏洩・補修管17本を取替え、蒸気連絡管の影響についても考慮し、スプリングハンガー、レストレイン金物及び防振器を取り付け。 |
件名 | 【風力】自家用発電所発電機破損事故 |
発生年月 | 平成26年4月 |
事故発生電気工作物 | 発電機(励磁装置) |
事故の概要 | ・インバータT相異常により、風車発電機自動停止。 ・風車ナセル内の電力盤の発電機励磁装置用インバータT相の基盤本体の損傷確認。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全) ・IGBTドライバコア単体の製作不完全によるもの |
再発防止対策 | ・発電機励磁装置用インバータ基盤の外観検査、配線、コネクタの緩みの確認を年1回実施する。 ・コンバータシステム試験を年1回実施する。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成26年5月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 節炭器管 |
事故の概要 | ・パトロール中、高温節炭器下部ホッパの下部にある目皿を点検中、ホッパー内への流水を発見。 ・高温節炭器漏水と判断し、ボイラー消火。 ・高温節炭器内部を点検したところ、高温節炭器管1本に漏洩を確認。 |
事故原因 | 設備不備(施工不完全) ・施工時の溶接不良を起因とする漏水によるものと推定。 |
再発防止対策 | ・溶接補修部のPT検査を実施し、異常のないことを確認。 ・漏洩箇所近傍の肉厚測定を行い、減肉を確認した1本については肉盛溶接補修を実施。これ以外に減肉がないことを確認。 ・今後複数工期に分けて管の取替え工事を実施。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成26年5月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 節炭器管 |
事故の概要 | ・通常運転中、現場パトロールで節炭器ダストシュート点検口で水滴下を確認。 ・節炭器からの漏水と判断し、ボイラーを消火。 ・内部の目視点検をした結果、節炭器1本の漏水を確認。 |
事故原因 | 保守不備(自然劣化) ・経年の熱応力による強度低下によるものと推定。 |
再発防止対策 | ・当面の対策として当板溶接を実施し、その後抜管交換。 ・節炭器水管の肉厚測定箇所を追加し、定期的な管理強化を行う。 |
件名 | 【風力】自家用発電所発電機破損事故 |
発生年月 | 平成26年6月 |
事故発生電気工作物 | 逆変換装置 |
事故の概要 | ・風車逆変換装置のエラーにより風車が自動停止。 ・逆変換装置のスレーブユニットの直流及び交流ヒューズの溶断確認。 ・逆変換装置のスレーブ側のIGBTモジュール1台の内部短絡事故と推定。 ・IGBTモジュールの交換。 |
事故原因 | その他(その他) ・IGBT単体もしくはゲート信号異常が原因でV相IGBT破損に至ったものと推定。 |
再発防止対策 | ・逆変換装置メーカーに対する品質向上を促すと共に、ゲート電圧異常の対策としてノイズの重畳を低減させるフェライトコアの挿入を実施。 |
北海道産業保安監督部 電力安全課 電話:011-709-2311 (内線 2720〜2722) E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp |
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