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平成26年度第2四半期(7月〜9月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して4件の報告があり、概要についてお知らせします。
主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成26年7月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 節炭器管 |
事故の概要 | ・現場点検中に後部伝熱部ホッパー部の灰搬送装置において漏水を確認。給水量と主蒸気量との差が通常時に比べ増加していることも確認されたため、後部伝熱部耐圧部での漏洩と判断し、ボイラーを消火。 ・節炭器出口管寄溶接部の亀裂及び打痕変形を確認。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全)、自然現象(地震) ・地震により管とケーシングが衝突し、管寄スタブ管クラック漏洩に至ったものと推定。 |
再発防止対策 | ・節炭器出口管寄とケーシング間隙の調整。 ・蒸気−給水量偏差(移動平均)の警報化。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成26年9月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 水管 |
事故の概要 | ・運転中、2次過熱器入口ガス温度Loの警報が発報。蒸発量に対し給水量が過大傾向であることを確認。ボイラーを非常停止。 ・ボイラーを点検した結果、燃焼室において水管の破損を確認。 |
事故原因 | 保守不備(保守不完全) ・スートブロワの暖機待機位置において噴射口が適正位置でなかったため、スートブロワが運転するたびに蒸気が当該破孔箇所に噴射し、繰り返し同じ位置に噴出蒸気と随伴ダストを受けていたためにプロテクタプレートと水管が摩耗し破孔に至ったものと推定。 |
再発防止対策 | ・開放点検時はスートブロワの暖機位置における噴出孔が水平であることを点検・調整する。 |
件名 | 【風力】自家用発電所発電機破損事故 |
発生年月 | 平成26年9月 |
事故発生電気工作物 | 発電機 |
事故の概要 | ・風車発電機停止動停止。 ・発電機固定子巻線の対地絶縁抵抗を測定した結果、0.5MΩであることを確認して破損事故と判断した。 ・予備発電機と交換して復旧。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全) ・コイル組立時にコイル絶縁を損傷。 ・劣化が進行し、レアショートが発生し、その部位に電流が集中することにより過熱した。 ・過熱が進展することにより、導体が溶融し、相間短絡・地絡に至った。 |
再発防止対策 | ・コイルの絶縁層を厚くし、コイルエンド部をガラステープによる被覆・保護を行う。 ・定期点検時(1回/年)に、絶縁抵抗測定を実施し、変化を確認した場合には、巻線抵抗値バランスを確認する。 |
件名 | 【風力】自家用発電所発電機破損事故 |
発生年月 | 平成26年9月 |
事故発生電気工作物 | 発電機 |
事故の概要 | ・発電機同期時に電圧不具合発生。 ・遠隔監視装置により風車を停止。 ・発電機端子箱に変形及び異臭確認。 ・発電機端子台にて絶縁抵抗を測定し、すべての固定子巻線が0MΩであり、破損事故と判断した。 ・予備発電機と交換して復旧。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全) ・発電機分解調査の結果、コイル組立時にエナメル被覆を損傷させたことにより、運転中に劣化が進行し、レアショートが発生した。 ・その結果、導体が溶融し、相間短絡・地絡に至った。 |
再発防止対策 | ・これまで実施してきた定期点検に加え、以下の測定・点検を実施することにより事故につながる異常の有無の早期発見に努める。 ・専門業者により、ファイバースコープによる発電機内部点検を継続的に実施。 ・固定子コイルの絶縁抵抗測定及び巻線抵抗測定を実施。 ・発電機運転中の軸受異音の確認及び振動測定を実施。 |
北海道産業保安監督部 電力安全課 電話:011-709-2311 (内線 2720〜2722) E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp |
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