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平成26年度第2〜第3四半期(7月〜12月)に発生した管内における感電等死傷事故について、電気関係報告規則に基づき当部に対して4件の報告があり、概要についてとりまとめましたのでお知らせします。
電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
発生年月 | 平成26年7月 |
事故発生電気工作物 | 屋内電気室内キュービクル 高圧交流負荷開閉器(LBS) |
事故の状況 | 被災者は排水状況を調査するために設置者から依頼された給排水設備業者である。 被災者は当該事業場の管理担当者に連絡せずに鍵の掛かっていなかった電気室に入り込み排水管の調査を行っていた。 電気室は以前、隣接するゴミ庫の入り口の鍵が故障し、電気室から出入りすることがあったため、施錠されていなかった。 被災者はキュービクルの中に排水管が通っていないか調査するために、施錠されていない扉を見つけて充電中のキュービクルに侵入し、6.6kVLBSの母線側に頭部を接触させて感電罹災した。 キュービクルの扉は月次点検の際、被災者が入り込んだ1箇所の施錠をし忘れていたもの。 被災者は作業服上下、サンダル履きで、ヘルメットは被っていなかった。 |
事故原因 | 感電(公衆)(被害者の過失、第3者の過失) 1.電気室は以前、隣接するゴミ庫の入り口の鍵が故障し、電気室から出入りすることがあったため、施錠されていなかった。 2.月次点検の際、キュービクルの扉のうち1箇所の施錠をし忘れていた。 3.被災者は当該事業場に何度も出入りしていたため、誰にも連絡せずに配管の調査を実施していた。 4.被災者は電気的知識に乏しく、危険の意識が無かった。 |
被害状況 (被害者、年齢) |
電撃症(頭部3度、顔面2度、背中3度の火傷)入院治療1ヶ月 (作業員(公衆)、46歳) |
再発防止対策 | 1.電気主任技術者はキュービクルの鍵を管理・保管し、キュービクルを開ける場合は電気主任技術者が必ず立会する。 2.キュービクル内部の調査・点検は電気主任技術者が必ず立会し、必要に応じて停電して行う。 3.教育を施した電気関係者以外には調査点検はさせない。 4.業務要領の徹底を図り、安全管理に努める。 |
写真(PDF形式/76.4KB)、感電図面(PDF形式/62.1KB) |
発生年月 | 平成26年8月 |
事故発生電気工作物 | 66kV特別高圧送電線 |
事故の状況 | 被災者は河原で釣りを行っており、移動した際に釣り竿の先端部が緩んだため、河原に竿を置いて調整した後、竿の根元を持ち先端を上方に向けて持ち上げたところ、上方高さ約9mの河川横断66kV特別高圧送電線に釣り竿が接近または接触し感電負傷した。 推定放電経路は送電線→釣り竿→右手→右足→大地 |
事故原因 | 感電(公衆)(被害者の過失) 1.被災者が周囲の確認を行わずに長さ9mの釣り竿を持ち上げた。 2.公衆安全標識の設置が行われていなかった。 |
被害状況 (被害者、年齢) |
電撃症(右手・右足)、腎機能障害 入院1ヶ月 (公衆、36歳) |
再発防止対策 | 1.公衆安全標識およびのぼり旗標識を設置する。 2.より視認性の良い標識付きリングへの取替を実施する 3.釣りシーズン終了時まで河川パトロールを週1回実施する。 解禁日当初はパトロールに合わせて広報車で音声による注意喚起を実施する。 4.当該地域の釣具店に対して、送電線付近での釣りを行う場合の感電事故防止PRを実施するとともに、ポスターの掲示や注意喚起用パンフレットの配布を依頼する。 |
写真(PDF形式/164KB) |
発生年月 | 平成26年9月 |
事故発生電気工作物 | 受電用屋外キュービクル |
事故の状況 | 当該事業場は専任の電気主任技術者が選任されており、年次点検は事故発生日の約3週間前に電気保安法人に委託し、電気主任技術者が立ち会って行われていた。 全停電で年次点検を行った際、受電用キュービクルから屋内電気室への送り出しケーブル(CV38mm×3C、50m)の絶縁抵抗値に問題は無かったが、ばらつき(2相が100GΩ、1相が7GΩ)が大きく、天候が悪かったことから、日を改めて確認することにしていた。 事故発生日は当該ケーブルの再測定を被災者を含む電気保安法人2名と電気主任技術者の3名で行っていた。 被災者は1名で受電用キュービクルでVCBとLBSの操作とケーブルを浮かす作業を担当、他の電気保安法人1名と電気主任技術者は屋内電気室でDSとケーブルを浮かす作業を担当していた。 VCB、LBSとDSを切ってケーブルの絶縁を確認したところ、若干のばらつきはあったものの、特に問題の無い測定結果であった事から測定を終了し、屋内電気室側から復電の準備をする旨無線で被災者に連絡した。 その後被災者からケーブル、LBS、アクリル防護板の復旧が終わった旨無線で屋内電気室に連絡が来た。 屋内電気室側の復旧作業が終了したため、被災者に無線で復電して良い旨連絡しようとしたが返事が無かったため電気保安法人の1名が受電用キュービクルに向かったところ、作業予定の無かった避雷器の扉が開いておりキュービクル内に被災者が倒れていた。 事故発生を確認した電気保安法人保安業務従事者が救急車を手配。 被災者は何らかの理由で避雷器盤に立入、接触痕から避雷器に接触して感電したものと推定。 |
事故原因 | 感電(被害者の過失) 1.完全停電で作業を実施していなかった。 2.作業予定外の扉を開けてキュービクル内部に入った。 3.充電部分の表示札を怠った。 4.停電範囲と充電範囲の確認が、作業員相互で十分行われていなかった。 5.作業の区切り毎に検電確認を行っていなかった可能性がある。 |
被害状況 (被害者、年齢) |
感電死 (作業員、51歳) |
再発防止対策 | 1.原則として作業は全停電で行う。 2.作業員全員に対して、安全に作業するための作業手順および遵守・注意事項等について教育と指導を行い、必要の無い作業を行わないことを作業者に周知徹底する。 3.作業前の打ち合わせを作業員全員で作業場所にて入念に行い、停電範囲と充電範囲を確認し、充電部分の扉には「充電中」の表示札をかけて注意を喚起する。 4.部分停電作業の場合は、安全監視員をつけて作業する。 5.作業区切り毎に検電することを徹底する。 |
写真(PDF形式/108KB)、感電図面(PDF形式/174KB) |
発生年月 | 平成26年11月 |
事故発生電気工作物 | 配電線電柱(木柱 配電線電圧200V) |
事故の状況 | 当該電柱は前年の木柱腐食調査により建替えが必要と判断していた。 建替えは発注者からA工事会社が元請けとなり、下請けのB電設が班長以下4名で実施していた。 班長は、作業前に当該建替柱の地際の腐食状態を確認のうえ、安全確保のため被災者に倒壊防止措置を指示した。 被災者は低圧線、引込線、支線(2条)が4方向に張られている状態で同木柱に昇柱し、倒壊防止ロープを1本固定、地上の作業員Bが同ロープを立木に固定した。その後、班長監視のもと、被災者は柱上において低圧線(DV低圧)と引込線を仮吊し、金物類(ラックバンド)の取外作業に着手し、作業完了後、降柱を開始した。 被災者が、地上5.5m付近の位置で昇降器を設置している側に体位を変更した際、当該木柱が地際から倒壊し、木柱とともに地面へ落下し被災した。 被災者は、直ちに救急車で病院へ搬送されたが、11時00分死亡が確認された。 なお、当該現場は高所作業車の進入ができない作業現場であった。 現場の風速は7.5m/sであり、作業を中止する基準10m/sを下回っていた。 |
事故原因 | (作業員)(作業方法不良)
1.高所作業車が使用できない場所にあり、腐食の度合いから電柱を新設したうえで抜柱するように発注していたが、元請け、発注者には連絡せずに既設木柱倒壊のおそれから作業方法を変更しており、元請け、発注者による安全確認が行われていなかった。 2.着工前の点検がハンマーによる点検のみで腐食判定を行っており、ロープによる倒壊防止措置で十分と判断していた。 3.倒壊防止ロープの取付け角度が適切ではなかったため低圧線、引込線の取外し後に不均衡となり、被災者が降柱時に体重移動を行った際木柱が倒壊した。 |
被害状況 (被害者、年齢) |
死亡(外傷性大動脈損傷(直接死因)、頭蓋底骨折、両側血気胸) (作業員、64歳) |
再発防止対策 | 1.木柱腐食調査のチェックシートを設計書に添付し、施工班に注意喚起を行う。 2.元請けは作業に関わる安全指示事項を確実に施工班へ連絡し注意喚起を行う。 3.作業前の腐食点検はピック等を使用して腐食度合と腐食位置を確実に把握し、抜柱(切り倒し)方向等を確認する。 4.腐食した木柱への昇柱を禁止する。 5.災害事例周知及び検討会、安全教育等を行う。 |
写真(PDF形式/12.2MB) |
北海道産業保安監督部 電力安全課 電話:011-709-2311 (内線 2730〜2732) E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp |
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