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平成27年度第3四半期(10月〜12月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故について

平成28年 5月 9日更新
北海道産業保安監督部

 平成27年度第3四半期(10月〜12月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して4件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【火力】自家用発電所蒸気タービン破損事故
発生年月 平成27年10月
事故発生電気工作物 蒸気タービン 軸受
事故の概要 ・軸受油圧低下自動停止。再起動中軸振動過大自動停止。
・開放後、第1,2軸受メタルの溶損の確認された。
事故原因 保守不備(施工不完全)
 同年春に低気圧により発電所全停止が発生し、当該蒸気タービンもトリップした。この時のターニング運転まで約23分要したことで第1軸受のホワイトメタルが部分的に溶融剥離があった。直後に軸受の油圧の差圧上昇、ストレーナーに微量の金属粉、軸受振動値上昇を確認した。
 その後、7回の停止起動でホワイトメタルの剥離が進行。事故当日に、第1軸受ホワイトメタルが完全に剥離し、それが軸受油ストレーナーを詰まらせ油圧が急低下し、軸受油圧圧力低によりタービンがトリップした。
再発防止対策 ・ストレーナー差圧上昇時に油分析の実施。
・全停電事故等でターニング運転に遅れが生じた場合の油分析の実施。
・タービンロータージャーナル部軸受部の溶射除去・研磨及び新軸径に合わせたメタルへの新製交換。

No.2
件名 【火力】事業用発電所ボイラー破損事故
発生年月 平成27年11月
事故発生電気工作物 ボイラー 過熱器
事故の概要 ・運転中、火炉内圧力変動、缶右付近蒸気漏洩音、給水流量増加を確認。
・ボイラーを点検した結果、過熱器管の亀裂から出た蒸気により、他の過熱器管を破孔した。
事故原因 保守不備(自然劣化)
・一次損傷管は、長時間クリープにより管内面に亀裂が発生・進展し破孔に至った。
・損傷部位は曲管部であり、曲げ加工時の残留応力が残っていたことから直管部より長時間クリープが進行が早かったと推定される。
再発防止対策 ・次回定検時に当該過熱器の出口側曲管部について、取替えを実施する。
・定検時に行う目視点検や触手点検、SUSスケール検査に加え、寿命管理の実施する。

No.3
件名 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故
発生年月 平成27年11月
事故発生電気工作物 ボイラー 水冷壁管
事故の概要 ・スメルトスパウト3本のうち1本から漏水を確認したためボイラーを停止。
・炉内を点検したところ、火炉前壁管2本の漏洩を確認した。
事故原因 保守不備(施工不完全)
 以前より工場内で新しい素材の生産を始めたため設備の運転が安定せず、これに伴い当該回収ボイラーの黒液燃焼が不安定になったことから重油バーナーの使用が大幅に増加、その輻射熱で溶解したスメルトが水管表面を流下したことによるアルカリ溶融塩腐食減肉により破孔したもの。
再発防止対策 ・今回の漏洩管を含め、重油バーナー下部の減肉管の取替の実施。
・燃焼室内の左右前後側壁管を2年に1回肉厚測定を行い、必要に応じて肉盛補修を行う。

No.4
件名 【風力】自家用発電所発電機破損事故
発生年月 平成27年11月
事故発生電気工作物 発電機
事故の概要 ・発電機用遮断器トリップが発生し、風車停止。
・発電機固定子端子台破損。固定子W相口出し線端子部破断を確認。
事故原因 ・固定子の挿入位置の誤り(基準スロットに対し140°ずれあり)により、口出し線の固定用サポート金具の取付け不足による。
・口出し線の振動測定により共振を確認。
再発防止対策 ・サポート不足が共振の原因とあることから、固定箇所を追加し、口出し線を可撓性のある線種に交換。
・今後、補修が必要な発電機に対しては、固定子を基準スロットに合わせて組み込むことを徹底し、口出し線を可撓性のある線種に交換することにより、振動に強うものとする。

北海道産業保安監督部 電力安全課
電話:011-709-2311
(内線 2720〜2722)
E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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