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平成27年度第4四半期(1月〜3月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して8件の報告があり、概要についてお知らせします。
主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成28年1月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 蒸発管 |
事故の概要 | ・運転中、ドラム水位低下警報が発報し、給水流量増大及び漏洩音を確認。操作盤によりボイラー非常停止。 ・ボイラーを点検した結果、燃焼室においてスートブロア側から6段目の蒸発管破孔を確認。 |
事故原因 | 保守不備(保守不完全) ・スートブロア暖管時の水滴とダストによる摩耗減肉。 ・プロテクタ端部が破孔しており範囲が不適切。 |
再発防止対策 | ・水管のプロテクタ延長し保護範囲を広げた。 ・開放時点検にプロテクタ端部における水管の摩耗の点検の徹底。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成28年1月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 蒸発管 |
事故の概要 | ・運転中、ドラム水位低下により非常停止インターロックによりボイラー停止。 ・ボイラーを点検した結果、層内蒸発管の破孔を確認。 |
事故原因 | 保守不備(保守不完全) ・損傷管外面に減肉を確認したことから、アッシュエロージョンにより破孔に至った。 ・損傷管部のプロテクタは損傷脱落していた。 |
再発防止対策 | ・早期に層内蒸発管の全数更新を行い、プロテクタ脱落防止を強化を行う。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成28年2月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 給水管 |
事故の概要 | ・巡視点検中、6号ボイラ炉体上部より蒸気漏洩を確認、過熱低減器から漏洩と推定し消火。 ・内部点検の結果、一次過熱低減器右スプレーの給水管溶接部にて漏洩確認。 |
事故原因 | 保守不備(保守不完全) 注水と噴霧蒸気の温度差及びボイラー起動停止による温度差による繰り返し熱応力により溶接線に亀裂が発生したもの。 |
再発防止対策 | ・亀裂箇所のガウジングならびにTIG溶接による肉盛補修。 |
件名 | 【火力】事業用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成28年2月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 蒸発管 |
事故の概要 | ・ボイラー缶左後部(7FL付近)から外部への蒸気漏洩(湯気が立ち上がる程度)及びドレン滴下を確認。 ・現場状況により、ボイラー蒸発管の蒸気漏洩と判断し、解列。 ・水張り試験の結果、缶左後部1箇所に漏洩を確認。 |
事故原因 | 保守不備(施工不完全) 地震受け用金物の当て板端部の溶接が不十分であったことから、そこに応力が集中したことにより初期き裂が発生し。き裂は溶接線に沿って進展したのち、最終的に蒸発管外面から内面に向かって貫通し蒸気漏洩に至ったものである。 溶接が不十分になった原因は、隣接するボイラー補強用金物と当て板との間隔が狭く、溶接が困難な部位であったためと推定している。 |
再発防止対策 | 地震受け用金物の当て板とボイラー補強用金物の当て板との間隔が狭く、溶接が困難な全12箇所(漏洩部1箇所、類似部位11箇所)のうち9箇所(漏洩部1箇所、類似部位のうちき裂の確認された5箇所、き裂が確認されなかったが溶接が不十分な3箇所)について、突合わせ溶接または廻し溶接を実施し、溶接端部の応力集中を防止する恒久対策を行った。 |
件名 | 【火力】事業用発電所燃料タンク破損事故 |
発生年月 | 平成28年2月 |
事故発生電気工作物 | 燃料タンク サクションヒーター |
事故の概要 | ・タンクサクションヒーターから軽油の漏洩確認し、タンク残油処理開始。 ・サクションヒーター点検開始し、サクションヒーター内部の蒸気室とドレン室の仕切板の近傍において、胴本体外側に長さ約170mm、本体内部(蒸気室側)に長さ約110mmのき裂を確認した。 |
事故原因 | 保守不備(施工不完全) サクションヒータ蒸気供給弁の内部漏洩により、ヒーター内部に流入した蒸気がドレン化して残留し、外気温の低下により凍結した。これにより胴本体はドレン室内の氷膨張により仕切板に力が加わった結果、仕切板と胴本体の溶接部にき裂が発生し、それが起点として胴本体外部までき裂が進展したものと推定する。 |
再発防止対策 | 損傷したサクションヒーターは、今後も使用する予定がないことから撤去し、開口部に閉止フランジを取り付けて復旧した。 |
件名 | 【火力】自家用発電所ボイラー破損事故 |
発生年月 | 平成28年3月 |
事故発生電気工作物 | ボイラー 蒸発管 |
事故の概要 | ・運転中、ボイラー出口の蒸気流量低下と給水流量増加を確認。 ・ボイラーを点検した結果、対流伝熱部において漏洩音を確認。 |
事故原因 | 保守不備(保守不完全) スートブロアの暖管時の水滴とダストにより、水管が摩耗減肉して破損した。 水管には摩耗防止のためのプロテクタを取り付けて防護していたが、その範囲が不適切であった為にプロテクタによる防護範囲を超えた部位にて摩耗し損傷した。 |
再発防止対策 | 水管のプロテクタを延長し、スートブロア暖管時の防護範囲を広げて適正化を図った。 開放点検時にはプロテクタ端部における水管の摩耗状況についてプロテクタの点検に併せて実施することを徹底する。 |
件名 | 【風力】自家用発電所ブレード損傷事故 |
発生年月 | 平成28年1月 |
事故発生電気工作物 | ブレード |
事故の概要 | ・巡視点検時、異常な風切り音を確認。 ・ブレード3枚ともトレーリングエッジ側両面に亀裂発生。 |
事故原因 | 自然現象(落雷) ・調査の結果、冬季雷による衝撃並びに水蒸気爆発が発生し損傷に至ったものと推定。 |
再発防止対策 | ・計画的に耐雷化工事を実施し、発電所の耐雷性能を向上させる。 |
件名 | 【太陽電池】自家用発電所逆変換装置破損事故 |
発生年月 | 平成28年2月 |
事故発生電気工作物 | 逆変換装置 |
事故の概要 | ・冷却ファン異常(重故障)が発生し、逆変換装置運転停止。 ・手動にてエラーをリセットし、運転するも再度停止。 ・以上の操作を5回実施した結果、冷却ファンの故障と判断。 |
事故原因 | 設備不備(製作不完全) ・ファンに異常はないが、アラーム接点信号に異常があることが判明。さらに調査した結果、冷却ファンに内蔵されている継電器の不良であると断定。 |
再発防止対策 | ・PCSメーカーに対してサポート体制の強化を要請するとともに、同様の故障に備えて、予備品を確保して速やかに復旧に努めることとする。 |
北海道産業保安監督部 電力安全課 電話:011-709-2311 (内線 2720〜2722) E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp |
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