北海道産業保安監督部
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平成28年度第2四半期(7月〜9月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

平成28年11月18日
北海道産業保安監督部

 平成28年度第2四半期(7月〜9月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して9件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【風力】自家用発電所 逆変換装置破損事故
発生年月 平成28年7月
事故発生電気工作物 逆変換装置
事故の概要
  • 風車レベルトリップエラーが発生し、1号機及び2号機が停止。
  • 調査の結果、2号機コンバーター盤内に焼損箇所を発見し、逆変換装置の損傷事故と判断。
  • 事故原因 設備不備(製作不完全)
  • フィルタ回路配線破断について、風車発電運転時における電流測定から主回路ケーブルの許容電流を超過して使用した結果、ケーブル発熱し、被覆が破断したものと推定。
  • IGBTユニット破損について、フィルタ回路配線が破断したことにより直近の系統側のIGBTユニット端子短絡が発生し、DCヒューズ溶断及びIGBTユニット破損に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 仮対策として系統側フィルタ回路の配線を22mmΦから60mmΦに取替。
  • 恒久対策として、各相38mmΦ配線2並列に変更等を実施。
  • コンバーター盤定期点検時に電流、温度の測定を追加。

  • No.2
    件名 【水力】自家用発電所 洪水吐きゲート破損事故
    発生年月 平成28年8月
    事故発生電気工作物 洪水吐きゲート
    事故の概要
  • 台風7号の接近通過により洪水吐きゲートの開度を調整して放水した。ダムへの流入量の減少と共に各洪水吐きゲートを閉鎖した。翌日、ダム現地確認の際、一部のゲートが、戸当たりプレートに接触したまま閉鎖していないのを発見した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 橋脚に埋め込まれた戸当たりプレートが橋脚コンクリートの膨張によりふくれあがり橋脚間が狭くなったものと推定。洪水吐きゲートの点検の際、最大開度まで動作確認をしていなかったことから事象が発生した。
  • 再発防止対策
  • 暫定措置としてゲート戸当たりプレートのゲートとの接触部を削る。
  • 各ゲートについて戸当たりプレート部の橋脚コンクリートの強度調査を行うと共にプレートの浮き上がりがないか確認し、強度不足並びにプレートの浮き上がりの場合補修する。
  • 洪水吐きゲート点検の際、最大開度までの動作確認を行う。

  • No.3
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー水管破損事故
    発生年月 平成28年8月
    事故発生電気工作物 ボイラー対流伝熱部水管
    事故の概要
  • 運転中にボイラー燃焼室上部圧力HH(極高)によりMFT動作、ボイラーが停止した。
  • 燃焼室内を点検した結果、水管からの漏水の痕跡を確認。天井付近で破孔したものと推定した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 炉底ノズルの折損により流動砂が直上に吹き上げられ、水管の摩耗速度が加速し、減肉破損した。
  • 再発防止対策 開放点検時に炉底ノズルの損傷状況を注視し、必要に応じて水管の肉厚測定を実施することで管の健全性を確認する。
    また、管の耐摩耗処置を検討する。

    No.4
    件名 【水力】自家用発電所 発電機等破損事故
    発生年月 平成28年8月
    事故発生電気工作物 発電所主要電気工作物全般
    事故の概要 台風10号の接近・通過に伴うダムからの放流と降雨により発電所が冠水し、停止した。
    事故原因 自然現象(水害)
  • 台風による降雨による河川水が侵入し発電所が冠水。冠水により発電機の巻線が絶縁低下するとともに、AVR自動電圧調整装置の機能が喪失した。
  • 再発防止対策 発電所建屋への流水の浸入防止を図る。

    No.5
    件名 【太陽電池】自家用発電所 逆変換装置等破損事故
    発生年月 平成28年8月
    事故発生電気工作物 発電所主要電気工作物全般
    事故の概要
  • 台風10号による降雨等により河川水が氾濫し、発電所は冠水した。
  • 水位が下がったので点検を実施しところ、PCS建屋内が1.8m冠水、受変電設備も冠水した。
  • 事故原因 自然現象(水害)
  • 記録的な大雨による河川決壊の洪水による二次被害。

  • No.6
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー過熱器管破損事故
    発生年月 平成28年9月
    事故発生電気工作物 過熱器管
    事故の概要
  • 運転中に火炉ドラフト高警報発報とともに主蒸気流量が低下した。
  • 現場点検にて炉内に蒸気漏洩音を確認、炉内での蒸気漏洩と判断し、発電機を停止した。
  • その後、マンホールを開放して調査した結果、二次過熱器管の1ヶ所に破孔を確認した。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 当該配管のプロテクターが反転したことからスーツブロア蒸気及びアッシュによる摩耗が進行し、減肉、漏洩に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 破孔部位の配管を新品に取替え。当該配管及び周辺配管のチューブプロテクタ反転修正及び廻り止め実施。
  • 今年の定期開放検査時に全てのチューブプロテクタに対し反転防止対策を実施予定。

  • No.7
    件名 【風力】自家用発電所 増速機破損事故
    発生年月 平成28年9月
    事故発生電気工作物 増速機
    事故の概要
  • 運転中、潤滑油圧低警報が発令し風車が停止。
  • 所員が事務所の監視制御装置で風車が安全に停止していることを確認、風車に昇塔し、風車の停止処置をとった。
  • 原因調査のため風車に昇塔し、潤滑油ギアポンプを分解し、異物噛み込みによりモーターとギアポンプを連結しているカップリング部分が破損していることを確認。増速機内部を確認した結果、遊星歯車軸受破損を確認、運転継続不可のため増速機破損事故と判断した。
  • 事故原因 設備不備(保守不完全)
    ・増速機の遊星軸受に自動調心コロ軸受が使用されているが、アライメント調整不足から当該軸受を損傷。これにより発生した金属片が潤滑油ギヤポンプに噛み込み破損したものと推定される。
    再発防止対策 ・不具合兆候を把握し、早期に増速機を交換する。
    ・整備時にアライメント確認にレーザー計測装置を導入し精度向上を計る。
    ・オイルラインフィルター交換時にフィルターに補足されている金属粉量の確認。異常があった際には増速機内部を内視鏡により確認を行う。

    No.8
    件名 【太陽電池】自家用発電所 逆変換装置破損事故
    発生年月 平成28年8月
    事故発生電気工作物 逆変換装置
    事故の概要
  • 監視システムのメールにてPCS停止連絡。現地確認するが水が引かず近づけないため確認できず、事業所側の区分開閉器を開放。
  • 水が引くが水分が多く近づけないため、メーカー技術員の現地派遣を要請し、現地調査を実施した結果、PCSが水没し、短絡により変換機能を喪失したものと推定された。
  • 事故原因 自然現象(水害)
  • 河川の氾濫によるPCS等が冠水した。
  • 再発防止対策 水没を考慮し、PCSの基礎部底面高さを1m嵩上げを検討する。
    また、基礎構造については、コンクリート製、鉄骨製を構造計算や経済性の面から検討する。

    No.9
    件名 【火力】事業用発電所 ボイラー再熱器管破損事故
    発生年月 平成28年9月
    事故発生電気工作物 再熱器管
    事故の概要
  • 運転中、誘引通風機の動翼が全開となり警報が発生。
  • ボイラー廻りを点検した結果、ボイラー右壁の後方付近より蒸気の漏洩音を確認し、ボイラー管の破孔の可能性が高いと判断し、ユニットを停止して点検を行うこととした。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • 今回破孔した箇所は管間隔が他の箇所よりも広いため、ガス通過量が多く、排ガス中の灰やスートブロアの噴射蒸気によって巻き上げられた灰が支持管の側面に沿って、当該部に多く流れたことで、徐々に減肉が進行し破孔に至ったものと推定される。
  • 再発防止対策 第一再熱器管及び支持管は、平成29年度に全数取替予定であり、排ガスによる減肉が大きいと想定する部位には保護板を取りつけることで灰による外面減肉を防止し再発防止を図る。
    北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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