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平成28年度第3四半期(10月〜12月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

更新 令和元年10月11日
平成29年 3月17日
北海道産業保安監督部

 平成28年度第3四半期(10月〜12月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して10件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【風力】自家用発電所 発電機漏油事故
発生年月 平成28年10月
事故発生電気工作物 発電機
事故の概要
  • 制御油圧低下のエラー発生により風車が自動停止。
  • 調査の結果、風車タワー基礎部に漏油痕跡を発見。
  • 事故原因 設備不備(製作不完全)
  • 漏油は油圧ピッチシリンダー用油圧ブロックとアキュムレータ用ホース(油圧ホース)接合面から発生したものと推定。交換作業方法に関する説明が不十分だったために、油圧ホースの接続を誤った取付方法で実施したことが原因と推定。
  • 再発防止対策 以下の対策を検討中。
  • 作業方法の指示を徹底し、技術員の立会いで実施する。
  • ホース交換時のマニュアルを整備し、教育を実施する。
  • 故障リスク低減のため当該油圧ホースの取りはずし時は部品を流用せず、新品に交換することを徹底する。等

  • No.2
    件名 【火力】事業用発電所 移動用発電機破損事故
    発生年月 平成28年10月
    事故発生電気工作物 発電機
    事故の概要
  • 運転中、地絡過電流継電器が動作し、遮断器がトリップし停電となった。
  • 調査の結果、主回路と対地間の絶縁抵抗が0MΩと発電機に異常があることを確認した。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • 過酷な使用環境下での20年にわたる経年使用により塵埃が内部に堆積、固定子コイル絶縁層の絶縁低下に伴い沿面放電の繰り返したことによる絶縁破壊。
  • 再発防止対策
  • 経年12年目から以降6年周期で発電機巻線絶縁診断を行う。

  • No.3
    件名 【風力】自家用発電所 風力機関 風車の破損事故
    発生年月 平成28年10月
    事故発生電気工作物 ブレード
    事故の概要
  • ブレードが破損し、タワーに接触痕を確認。
  • タワーに昇塔し、調査した結果落雷により損傷したものと判断、損傷が激しいため停止措置を継続。
  • 事故原因 自然現象(雷)
  • 落雷を受けた時の衝撃に加え、ブレードにあった水分が水蒸気爆発を起こして損傷に至ったものと推定。
  • 再発防止対策 計画的に風車の耐雷化工事を実施予定。

    No.4
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー破損事故
    発生年月 平成28年10月
    事故発生電気工作物 節炭器
    事故の概要
  • パトロール中、ボイラー節炭器ダストシュート点検口で水滴下を確認したため、ボイラーを停止。
  • ケーシングを外し節炭器水管上部を点検した結果、上部管寄せの缶右端の水管2本に破孔箇所、亀裂を発見。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • 経年の繰り返し応力により管の強度が低下したことによりクラックに至ったものと推定。
  • 再発防止対策
  • 今後、周辺配管についてPT検査を実施し、クラックの有無を確認していく。

  • No.5
    件名 【風力】自家用発電所 発電機破損事故
    発生年月 平成28年10月
    事故発生電気工作物 発電機
    事故の概要
  • 振動エラー発生し、発電機が停止。
  • 発電機の絶縁抵抗測定を行った結果、発電機絶縁不良を確認。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • 発電機コイル内でレアショートが発生し、この熱により徐々に範囲が拡大し相間短絡に至ったものと推定される。
  • レアショートが発生した原因として、ヒートサイクル、電磁振動、冷却があまり機能していない時期があったこと等から、他の号機よりも劣化が比較的早く進んだ可能性がある。
  • 再発防止対策
  • 発電機コイルに対し、年1回以上の回数で劣化状況の診断を実施。指数の傾向管理を行い、異常な変化がないことを確認する。

  • No.6
    件名 【風力】自家用発電所 風力機関破損事故
    発生年月 平成28年11月
    事故発生電気工作物 発電所主要電気工作物全般
    事故の概要
  • 主軸受の温度センサー動作により警報が発生して風車停止。
  • 主軸受調査を行った結果、軸受コロ及び保持器の損傷を確認。保安上運転の継続は困難と判断し、主軸軸受損傷事故と判断。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 風況による過大な荷重や偏荷重、および長期使用による摩耗等により軸受コロ、保持器および内外輪のレースに損傷が発生し、その状態での運転継続により破損に至ったと推測。
  • 再発防止対策
  • 主軸軸受の管理方法として新たにCMSを追加設置し、温度・振動を常時監視することで異常傾向を早期に把握し、予防保全の改善を図る。
  • 鉄粉濃度が高い風車を中心に軸受の損傷を抑制することを目的として軸受のフラッシングの適用を検討する。

  • No.7
    件名 【太陽光】自家用発電所 逆変換装置破損事故
    発生年月 平成28年12月
    事故発生電気工作物 PCS(逆変換装置)
    事故の概要
  • PCSにて直流地絡警報により自動的に直流側のMCCB(遮断器)が動作。
  • PCSの直流側について絶縁抵抗測定並びに外観点検を行ったが異常を発見できず、メーカーに調査を依頼したところ、PCS内部のパワーユニットの交流側の差込プラグ内部に変色(短絡等の痕跡)を発見。
  • 事故原因 設備不備(製作不完全)
  • 調査した結果は以下のとおり。
    パワーユニット受側プラグの絶縁シートプラグ部の異常発熱により溶融し、W相プラグと筐体金具間にアークが発生して絶縁低下・地絡に至ったものと判断。
    なお、異常加熱した原因は製造不良又は部品不良によるコンタクトの変形、ばね力の低下から接触抵抗が大きくなったものと推定。
  • 再発防止対策
  • 異常を確認した箇所の部品を交換。
  • 復旧作業時挿入する前にプラグ部品の変更がないこと及びパワーユニット挿入後に変形、位置ずれがないことを確認。
  • 次回精密点検時に全てのユニット受側プラグ部の変色状態の有無、嵌合状態の確認を行う。

  • No.8
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー破損事故
    発生年月 平成28年12月
    事故発生電気工作物 ボイラー降水管ブロー配管
    事故の概要
  • ウインドボックス差圧大警報が発報 バーナー失火。
  • 直後、火炉圧高警報が発報し、パトロールの結果、バーナーガン周辺で蒸気漏洩を確認、ボイラーを停止。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 損傷管の缶前部を中心に何らかの局部加熱(800℃以上)があって脆化した。
  • 経年により内面にスケール等による筋状に浸食が進む。
  • 内圧がかかり破孔に至った。
  • 再発防止対策
  • 降水管ブロー配管の全数取替え、溶接部PT検査と肉厚測定を8年毎に実施する。

  • No.9
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー破損事故
    発生年月 平成28年12月
    事故発生電気工作物 ボイラー水管
    事故の概要
  • 運転中、給水流量と蒸発量との偏差が生じたため、経過観察していたが、給水量が著しく蒸発量を大きく超過したため、運転員が非常停止ボタンを操作した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 耐火上端に溜まった珪砂の表層部分での流動に伴う擦過により水管が摩耗し減肉・破孔に至った。
  • 再発防止対策
  • 開放点検時に耐火上端部における局部減肉の状況を注視し、肉盛修繕を実施する。
    また、管の耐摩耗処置を検討する。

  • No.10
    件名 【火力】事業用発電所 ボイラー破損事故
    発生年月 平成28年12月
    事故発生電気工作物 節炭器管
    事故の概要
  • ドラム水 低警報発生したため巡視をしていたところ、ボイラー5階付近から蒸気漏洩を確認した。
  • 点検の結果、節炭器管1本に破孔を確認。また、破孔部近傍において亀裂管3本と減肉管1本を確認した。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • 管内面からの腐食により肉厚が薄くなり、破孔若しくは貫通亀裂に至ったと推定。腐食の原因について、長期停止保管時における酸素とボイラー化学洗浄実施時における酸腐食が複合的に作用したものと推定。
  • 再発防止対策
  • 肉厚測定により減肉状況を管理する。
  • 北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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