北海道産業保安監督部
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平成29年度第2四半期(7月〜9月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

平成29年12月12日
北海道産業保安監督部

 平成29年度第2四半期(7月〜9月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して6件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 水管破孔事故
発生年月 平成29年7月
事故発生電気工作物 水管
事故の概要
  • 運転中ボイラー燃焼室内で「上部圧力極高」警報が出たため、ボイラーを手動で非常停止した。
  • 燃焼室の内部を点検した結果、水冷壁管に破孔部位を確認した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 耐火材の脱落により水管表面が露出、熱媒体である珪砂の流動により摩耗・減肉し、破孔した。
  • 再発防止対策
  • 解放時に耐火材の点検・補修を強化し脱落防止に努める。また、耐火材の劣化・損傷状況を細密に把握し計画的に修繕する。

  • No.2
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 加熱器逃がし弁配管折損事故
    発生年月 平成29年7月
    事故発生電気工作物 加熱器逃がし弁配管
    事故の概要
  • ボイラー給水圧力低下警報がでたため、タービン室の扉を開けたところ高圧加熱器付近よボイラーの給水漏洩を確認した。
  • 運転継続不能と判断しボイラーを非常停止後、加熱器付近を確認したところ、逃がし弁入口配管の損傷を確認した。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 逃がし弁及び配管を支持及び防振用のサポートが設置されていないことにより当該溶接部に振動により繰り返し荷重及び溶接部形状の不連続部での応力集中が重なり疲労破壊を生じた。
  • 再発防止対策 逃がし弁及び配管を支持及び防振用サポートの設置、溶接強度の低いソケット溶接から突き合わせ溶接に変更するとともに、50K以上の高圧溶接部において溶接施工業者からの溶接施工要領書の提出及び設置者側の事前確認を行い、施工記録の提出をさせて品質を確保する。

    No.3
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 水管破孔事故
    発生年月 平成29年7月
    事故発生電気工作物 水管
    事故の概要
  • 運転中、1号ボイラーで誘引送風機入口圧力極低が出て、自動停止した。
  • 点検の結果、節炭器管と右側面壁水管の破孔を確認した。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 過去に節炭器管及び右側面壁水管が破孔し、修繕した際に節炭器管の他の部位の減肉を発見できずに、薄肉状態で経年使用したことにより摩耗が進行し破孔に至った。
  • 再発防止対策
  • 破孔部位周辺や類似箇所の点検を実施し、肉厚測定器の活用により修繕範囲を確実とし、点検漏れが発生しないようにする。

  • No.4
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 水管破孔事故
    発生年月 平成29年9月
    事故発生電気工作物 水管
    事故の概要
  • 排ガス上限警報が頻発するため主蒸気流量と給水流量の差を確認したところ、増加傾向にあるため、点検のためボイラーを停止した。
  • 炉内に入り点検した結果、ボイラー水管に破孔を確認した。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 経年使用により焼損及び疲労破壊のため耐火材支持アンカーが溶接部より切断した。その結果、耐火材が脱落し、脱落したこで循環流動砂及び灰が水管に直接当たり、水管を摩耗させ破孔に至ったものと推定した。
  • 再発防止対策
  • 耐火材を固定するアンカーの形状と本数を変更した。
      また、耐火材メーカーによる耐火材の健全性確認を定期的に実施することとした。

  • No.5
    件名 【太陽電池】自家用発電所 逆変換装置破損事故
    発生年月 平成29年9月
    事故発生電気工作物 逆変換装置
    事故の概要
  • PCSで瞬時不足電圧を検出、翌日別のPCSでインバーター異常が出た。
  • 現地に出向き警報リセットを試みたが解消できず、メーカー担当者が操作し復旧した。
  • 事故原因 自然現象(雷)
  • 落雷サージなど高電圧による通信RS-4585インターフェイスのIC保護は定電圧ダイオードを通してサージ電流をコモンへ流す回路としていたが、想定以上の雷サージであったことから定電圧ダーオードの劣化に伴い正常な信号が出力できなくなり、同期通信異常となり停止した。
  • 再発防止対策
  • IC保護回路に用いている定電圧ダーオート100Wを耐量アップ品のTVSダイオード600Wに交換、雷サージによる保護を強化し、再発防止に努める。
      なお、他のPCSの定電圧ダーオードについても交換した。

  • No.6
    件名 【火力】事業用発電所 タービン中間閉止弁の不具合による発電支障事故
    発生年月 平成29年9月
    事故発生電気工作物 タービン
    事故の概要
  • ユニットの並列中に保護装置が動作し、ユニットが緊急遮断した。
  • 点検の結果、中間阻止弁に異物の噛み込みによる摺動痕を確認した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • グランドパッキンの過剰な締め付けに加え、摺動部への異物噛み込みが複合したことにより、中間阻止弁の動作不良に至ったものと推定。
  • 再発防止対策
  • 過剰な締め付け防止のため、製造者が作成したグランドパッキン締め付け要領書に基づき組み込みを実施することとする。
  • ICV摺動部への異物の噛み込みを可能な限り防止するため、分解点検時に摺動部の間隙を適切に監視することとする。
  • ICV動作不良の早期発見のため、起動時に運転支援装置の履歴及び現場でのICV動作状況の確認をすることとする。

  • 北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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