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平成29年度第3四半期(10月〜12月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

令和元年5月15日更新
平成30年 1月30日
北海道産業保安監督部

 平成29年度第3四半期(10月〜12月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して5件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【風力】自家用発電所 発電機破損事故
発生年月 平成29年10月
事故発生電気工作物 発電機
事故の概要
  • 運転中風車が停止した。
  • 発電機の絶縁抵抗を測定した結果、相間の絶縁抵抗が0MΩと相間で短絡を起こしていた。
  • 事故原因 設備不備(製作不完全)
  •  コイル形成時に素線エナメルに軽微な傷が有る状態でワニス処理をされたため、時間とともにレアショート(層間短絡)が発生し、レアショート部における過熱により相間の絶縁破壊に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 固定子巻線の絶縁強化方策(絶縁層の厚化、コイルエンドの表面保護)を施し、異常を確認し運転できないと判断した際に交換する事後保全を対策とする。
  • ただし、定期点検時には絶縁抵抗測定を実施して固定子巻線の健全性を確認することに加え、測定の結果、有意な変化を確認した際には、各相の巻線抵抗バランス等を確認し、必要な対策を講じることとする。

  • No.2
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 側壁管破損事故
    発生年月 平成29年10月
    事故発生電気工作物 ボイラー側壁管
    事故の概要
  • 運転中の巡視にてコールドリサイクル管下部から蒸気の立ち上がりを発見し、点検のためボイラーを停止した。
  • 保温外装板等を外し、当該部位を確認したところ側壁管1本に漏洩が認められた。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  •  コールドリサイクル管の伸縮継手の不具合により側壁管に押し込み荷重が発生し、さらにタイプレート支持金物を側壁管に直接溶接する構造であったため、この荷重を繰り返し受けて側壁管が疲労破壊に至ったものと判断した。
  • 再発防止対策
  • タイプレート支持金物取付位置を水管から影響のないフィンに更新する。
  • 応力の影響を受ける側壁管及び伸縮継手を更新する。

  • No.3
    件名 【風力】自家用発電所 風力機関 ブレード破損事故
    発生年月 平成29年11月
    事故発生電気工作物 ブレード
    事故の概要
  • 停止中であった風力発電所において暴風雨の通過後、ブレードが破損しているとの連絡があった。
  • 直ちに現地に担当者が出向き、ブレード破損を確認するとともに、発電所構内への出入禁止の看板の設置、飛散したブレードの回収等を行った。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 破損したブレードのレセプター部が剥がれる様に破断していたこと等から、当事故以前の落雷によりブレード内部で樹脂の急激な気化を伴う水蒸気爆発の様な現象が発生したと思われ、このブレード先端部の破断に加え、ブレード両面の接合剤が喪失するまでに至った。
  • 事故当日の強風にさらされたことにより、ブレード両面の接合部から破断したものと思われる。
  • 再発防止対策
  • 現有設備すべての撤去を行う。
  • 解体工事開始までの期間は、安全対策として全ての風車のブレードの下架、巡視回数を増やす等監視体制の強化の継続。

  • No.4
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー 節炭器管破損事故
    発生年月 平成29年11月
    事故発生電気工作物 節炭器管
    事故の概要
  • 運転中、節炭器出口ガス温度が徐々に低下したため、節炭器管漏洩と判断し、ボイラーを停止した。
  • 節炭器出入口管寄せ保温を取り外し観察したところ、節炭器管の漏洩が認められた。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  •  節炭器管において排ガス中の石炭飛灰による摩耗減肉が認められていたため、当該部位を毎年点検するとともに、ベンド部には全てプロテクターを設置していた。今回は点検が未実施であった部位がアッシュカットにより摩耗し、破孔・漏洩に至ったものと推定した。
  • 再発防止対策
  • 点検範囲を広げ、計画的にローテーションして点検することとした。

  • No.5
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー再熱器管破損事故
    発生年月 平成29年12月
    事故発生電気工作物 再熱器管
    事故の概要
  • 運転中に管左側のスートブロア貫通部から異音を確認したため、ボイラーを停止した。
  • 当該部を点検した結果、再熱器出口管に穴空きと減肉が認められた。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 最初に漏洩した箇所がスートブロー前端であること、加えて蒸気が当たる部分が一様に減肉していることからスートブロー蒸気によるスチームカットと推定。
  • 再発防止対策
  • 類似箇所の肉厚測定を行い、異常のないことを確認した。
  • 破損したプロテクタを交換し、今後、スートブローの蒸気が当たる範囲に対してプロテクタ減肉状況を確認する。
  • 北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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