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平成30年度第2四半期(7月〜9月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

令和元年5月15日更新
平成30年12月6日
北海道産業保安監督部

 平成30年度第2四半期(7月〜9月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故等について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して14件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【火力】事業用発電所 ボイラー火炉前壁分配管入口マニホールドブロー配管損傷
発生年月 平成30年7月
事故発生電気工作物 火炉前壁分配管入口マニホールドブロー配管
事故の概要
  • 負荷試運転中、「バーナ多数失火」により「MFTトリップ」発生、ドラム水位極低警報発報。
  • ボイラ前壁下部の風道において、火炉前壁分配管入口マニホールドのブロー配管に破孔を確認。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 試運転中に実施した燃料系統リークテスト時にバーナ燃料供給弁の内部漏洩が発生し、漏洩した軽油が風道内を伝わってブロー配管近傍に滞留した。
  • その後の確認運転中に自己発火したことでブロー配管が異常過熱され、短時間に破孔に至ったもの。
  • 再発防止対策 バーナの燃料系統リークテストを実施する際に軽油が流出しないように以下の対策を実施する。
  • バーナ燃料供給弁とバーナ間にあるプラグ等を取り外し漏洩有無を目視で確認する。
  • 不測の漏洩に対し迅速に対応できるようバーナ燃料供給弁毎に要員を配置する。

  • No.2
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー炉内蒸発管破損事故
    発生年月 平成30年7月
    事故発生電気工作物 蒸発管
    事故の概要
  • 給水量と蒸発量に偏差の異常を発見。現場を点検し、前面壁北側にて漏洩音を確認。ボイラー停止操作開始。
  • 燃焼室上部圧力HH(極高)の警報発報し、非常停止インターロックからMFT作動、ボイラー非常停止に至る。
  • 後日、前面壁水管に約φ5mm及び一辺約50mm四角型の破孔を確認した。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 耐火材の破損・変形で管が流動砂により摩耗・減肉したため破孔した。
  • 再発防止対策
  • 炉内足場を仮設するボイラー整備では耐火材天端のクリンカを可能な限り除去し、耐火材と管を点検し、適切な処置を施す。
  • 耐火材の施工形状等を検討し、耐火材による流動砂の異常な流れの低減を図る。

  • No.3
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー蒸発管破損事故
    発生年月 平成30年8月
    事故発生電気工作物 火炉後壁蒸発管
    事故の概要
  • 火炉ドラフト高警報発報、主蒸気量低下。ボイラを点検したところ、炉内より蒸気漏洩音の確認し、停止操作に入る。
  • 内部点検の結果、ボイラ火炉後壁スクリーン管の1ヵ所の破孔を確認した。
  • 事故原因 設備不備(施工不完全)
  • 火炉後壁管内の異物閉塞による配管の短時間クリープ損傷と推定。
  • 再発防止対策 水ドラム内、後壁上部ヘッダー入口管、火炉炉底部の異物調査の実施。

    No.4
    件名 【水力】事業用発電所 主軸封水装置漏水による発電支障事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 主軸封水装置
    事故の概要
  • 運転中に水車の主軸封水装置から健全時の約10倍にあたる2000リットル/分以上まで増加したことを受け、運転を停止。
  • 事故原因 設備不全(施行不完全)
  • ボルト破断の原因については、メーカー仕様を満たさない高硬度なボルトのため靱性が劣り、水素脆性割れに至った。
  • 高硬度となった原因については、強度を確保する焼入れ処理後に必要な、適性な硬度と靱性を得る焼き戻し処理が行われていなかったため。
  • また、不適正なボルトが適用された原因については、メーカーの品質管理不足によるもの。
  • 再発防止対策
  • 同種の不適合が疑われるボルトについては、リストアップの上、可能なものから緊急点検・検査を行い健全性を確認。
  • メーカーは、焼き入れや焼き戻し等の熱処理を実施したボルトに対する硬度測定の抜き取り検査とボルト製造業者への定期的な巡回パトロールを対策として実施。
  • メーカーが実施する対策により再発防止が可能と判断。併せて、社内周知による情報の共有化と、保守支援装置等による監視を継続し、再発防止の徹底を図る。

  • No.5
    件名 【火力】事業用発電所 ボイラー蒸発管破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 ゲージ側部管、水冷壁側部管
    事故の概要
  • 震度7の地震発生。ドラム水位極低に伴い、ユニット自動停止。
  • ゲージ側部管右側、水冷壁側部管左側のそれぞれ1ヵ所の損傷を確認。
  • 事故原因 自然現象(地震)
  • 地震の影響で各部に過大な応力が発生したことにより損傷に至ったものと推定。
  • 再発防止対策

    No.6
    件名 【火力】事業用発電所 ボイラー火炉下部パス管及び火炉出口部側壁管損傷による発電支障事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 火炉下部パス管、火炉出口部側壁管
    事故の概要
  • 震度7の地震発生。
  • 蒸気タービン発電機振動大に伴い、ユニット自動停止。
  • 火炉下部パス管(缶左8本、缶右1本)及び火炉出口部側壁管(缶左1本、缶右1本)の損傷を確認。
  • 事故原因 自然現象(地震)
    地震の影響で各部に過大な応力が発生したことにより損傷に至ったものと推定。
    再発防止対策

    No.7
    件名 【火力】事業用発電所 蒸気タービン出火による発電支障事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 蒸気タービン
    事故の概要
  • 震度7の地震発生。
  • 蒸気タービン振動大に伴い、ユニット自動停止。
  • 蒸気タービントップから出火を確認。
  • 蒸気タービン軸分解点検の結果、No1軸受油切りの位置ずれを確認。
  • 事故原因 自然現象(地震)
    地震の影響で蒸気タービンNo1軸受油切りの隙間が拡大し、この隙間から流出した潤滑油がケーシング内の保温材に浸透し、ケーシングの保有熱(約500℃)により、発火に至ったものと推定。
    再発防止対策

    No.8
    件名 【火力】自家用発電所 蒸気タービン軸受破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 蒸気タービンの高圧・低圧側ジャーナル軸受及びスラスト軸受
    事故の概要
  • 震度7の地震発生。
  • 蒸気タービン振動大に伴い、蒸気タービン自動停止。
  • 蒸気タービンの高圧・低圧側ジャーナル軸受及びスラスト軸受の損傷を確認。
  • 事故原因 自然現象(地震)
  • 地震による縦揺れにより蒸気タービンロータが許容振動を超えたため、油膜の維持が困難となり、軸受メタルが損傷した。
  • 再発防止対策

    No.9
    件名 【太陽光】 自家用発電所 太陽電池支持物破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 太陽電池支持物
    事故の概要 ・北海道胆振東部地震発生により、地面の隆起、液状化により、太陽電池パネル架台が変形。
    事故原因 自然現象(地震)
    再発防止対策

    No.10
    件名 【太陽光】 自家用発電所 太陽電池及び支持物破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 太陽電池及び支持物
    事故の概要 ・北海道胆振東部地震発生により、地割れが発生し、太陽電池パネル及び架台が損傷。
    事故原因 自然現象(地震)
    再発防止対策

    No.11
    件名 【水力】事業用発電所 水圧管路の損壊事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 水圧管路
    事故の概要
  • 震度4の地震発生、発電所停止。
  • 運転再開後に、臨時巡視により水圧鉄管伸縮部より漏水を確認し、発電機を停止した。
  • 漏水量約0.9リットル/分を確認した。
  • 事故原因 腐しょく(化学腐しょく)
  • 伸縮管の内面塗装が損傷し、鋼材の内面から腐しょく(孔食)を受けていた状態で、当日の発電所のトリップにより水衝圧が作用し破孔したものと推定。
  • 溶接により穴埋めを行い、鋼材(あて板)の溶接を行った。
  • 再発防止対策
  • 当該部は止水バンドにより補強する。
  • 伸縮部の安全度調査(板厚測定)を引き続き実施し、減肉による部材の発生応力の増加傾向を把握する。
  • 必要に応じて、板厚測定点を増やす。

  • No.12
    件名 【太陽光】 自家用発電所 逆変換装置破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 逆変換装置
    事故の概要
  • 逆変換装置2台の内部にショート形跡を確認。
  • 後日、運転機能喪失、使用不可能を確認。
  • 事故原因 自然現象(地震)
  • 北海道胆振東部地震による当地の震度は6強であり、メーカーに原因究明を依頼したが、電気的及び機械的な原因の特定には至らず、当該地震による想定外の揺れが原因と考える。
  • 再発防止対策

    No.13
    件名 【火力】事業用発電所 ガスタービン損傷事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 ガスタービン
    事故の概要
  • ガスタービン振動大に伴い、ユニット自動停止。
  • 第1軸受部及び中間軸において管理値を超える軸振れを確認したため、ガスタービン構成部品が損傷したものと推定。
  • 分解点検の結果、中間軸〜タービン翼車を接合するスピンドルボルト1本の折損を確認し、全数の取り替えを実施。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 折損したスピンドルボルトは、ボルト挿入穴との当たりに偏りがあり、その部位に応力が集中したことでボルト表面に亀裂が発生し、運転経過に伴い疲労が生じてき裂が進展し折損したと推定。
  • 再発防止対策 スピンドルボルトとボルト挿入穴の当たりが均一になるよう穴内面の点検手入れ及びボルト全数の取替を実施。

    No.14
    件名 【太陽光】 自家用発電所 逆変換装置破損事故
    発生年月 平成30年9月
    事故発生電気工作物 逆変換装置
    事故の概要
  • 発電中の逆変換装置において直流地絡発生、直流入力MCCBが開放、発電停止した。
  • 逆変換装置内のパワーユニットのドローアウトプラグイン部W相が焼損していることを確認した
  • 事故原因 設備不備(製作不完全)
  • メーカーで原因の絞り込みを行い検証の結果、嵌合プラグ部の焼損原因は熱膨張と収縮を繰り返し(微摺振動)、プラグ部コンタクト(銀Agメッキ)とパワーユニット出力銅バー(錫Snメッキ)が擦れ、硬度の低い錫メッキの摩擦粉が酸化し、嵌合部の接触抵抗が増加したことにより過熱、焼損に至った。
  • 再発防止対策
  • 発電所全PCS(30台)について、パワーユニット出力銅バーのメッキを硬度の低い錫メッキから銀メッキに変更及びプラグの全数交換を実施する。
  • 北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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