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平成30年度第3四半期(10月〜12月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

更新 令和元年10月11日
平成31年 1月30日
北海道産業保安監督部

 平成30年度第3四半期(10月〜12月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故等について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して6件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期

No.1
件名 【火力】自家用発電所 ボイラー節炭器破損事故
発生年月 平成30年10月
事故発生電気工作物 ボイラー節炭器管
事故の概要
  • 震度2の地震発生。
  • 節炭器入口管寄せ部の保温部より蒸気漏れを確認し、ボイラーの停止操作開始。
  • 事故原因 自然現象(地震)
  • 当該部を抜管し目視点検の結果、腐食や減肉等の異常が認められなかった。
  • 節炭器管の火炉内の拘束が認められなかった。
  • 当日に震度2の地震発生後に蒸気漏洩が確認されたことから、9月に起きた震度5強の地震により節炭器溶接部に強い応力がかかり、蒸気漏洩寸前の状態になっていたものが、その後の余震等により溶接割れが生じたものと推定。
  • 再発防止対策
  • 定期整備及び自主検査に、漏洩箇所を含めた全数目視、触手検査を実施し経過を注視。
  • 次回定期整備時に残り1台のボイラーについても、当該部の目視、浸透探傷検査を実施予定。

  • No.2
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー蒸発管漏洩事故
    発生年月 平成30年11月
    事故発生電気工作物 ボイラー蒸発管
    事故の概要
  • ボイラー火炉廻りを点検中、デスラガ付近で蒸気漏洩音を確認。
  • ボイラー停止後、炉内を確認した結果、ボイラー蒸発管に貫通孔を確認。
  • 事故原因 保守不備(自然劣化)
  • デスラガの蒸気噴射による溝状腐食の生成と熱収縮・膨張の繰り返しによる熱疲労が進行し漏洩に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 漏洩配管及び溝状腐食生成範囲の配管は更新を実施。
  • デスラガ行き配管の常時暖管運用実施によるドレン噴出抑制。

  • No.3
    件名 【火力】自家用発電所 蒸気タービン軸受損傷事故
    発生年月 平成30年11月
    事故発生電気工作物 蒸気タービン軸受
    事故の概要
  • 減速機加速度上昇警報及び減速機からのうなり音大。
  • 軸受給油温度を調査するも問題がないことを確認。
  • 振動ハンチング発生が5〜6回繰り返した後に、過速度にて停止。
  • 開放点検の結果、メタル損傷、高低圧グランドパッキン損傷、動翼シュラウド他摺損傷を確認。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • グランドラビリンスパッキンの経年劣化により蒸気漏れが増大し、軸受け側への蒸気漏れが増加したことにより潤滑油が炭化、炭化物が油中に混入し潤滑不良によりメタル損傷に至ったものと推定。
  • 再発防止対策 検討中

    No.4
    件名 【風力】自家用発電所 主軸軸受損傷事故
    発生年月 平成30年12月
    事故発生電気工作物 風車主軸軸受
    事故の概要
  • 事故前の1年点検において、給脂後のグリース鉄粉濃度を計測したところ管理値を上回っていたため、追加でグリースを給脂した。給脂後のグリース鉄粉濃度が管理値まで低下したことを確認し、試運転にて主軸の異音や異常な振動はなかったため、経過観察とした。
  • 事故当日、「回転速度偏差大」が発生して風車停止。その後の点検で主軸軸受の損傷が確認された。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 風況による過大な荷重や偏荷重、および長期使用による摩耗等により軸受内部のコロ、保持器および内外輪のレースに損傷が発生し、その状態での運転継続により破損に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 主軸軸受の管理方法として新たに状態監視システムを追加設置し、温度・振動を常時監視することで異常傾向を早期に把握し、予防保全の改善を図る。
  • 鉄粉濃度が高い風車を中心に軸受の損傷を抑制することを目的として軸受のフラッシングの適用を検討する。

  • No.5
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー蒸発管漏洩事故
    発生年月 平成30年12月
    事故発生電気工作物 ボイラー蒸発管
    事故の概要
  • ボイラー火炉廻りを点検中、デスラガ付近で蒸気漏洩音を確認。
  • ボイラー停止後、炉内を確認した結果、ボイラー蒸発管に貫通孔2カ所を確認。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • デスラガの蒸気噴射により発生した溝状腐食に対し、応急処置として肉盛溶接補修をした部位から亀裂が進展して漏洩に至ったと推定。
  • 再発防止対策
  • 漏洩配管及び溝状腐食生成範囲の全配管を取替。
  • 予防保全について検討する。

  • No.6
    件名 【火力】自家用発電所 ボイラー蒸発管漏洩事故
    発生年月 平成30年12月
    事故発生電気工作物 ボイラー蒸発管
    事故の概要
  • 炉内点検中、水が垂れていることを確認。水管破孔の疑いがあるため、ボイラーを緊急立ち下げ。
  • 後日、内部点検を実施したところ、蒸発管に1oの穴を確認。
  • 事故原因 保守不備(保守不完全)
  • 破孔した水管は肉厚測定の結果、局部的に減肉していた。
  • スートブローラインのプロテクタ施工場所により下部でドレンアタックによる減肉から、破孔に至ったと推定される。
  • 再発防止対策
  • 破孔した水管及び隣接した水管を部分的に新替えし、プロテクタを取り付ける。
  • 定期検査時に本体水管の外観点検箇所を追加して実施する。

  • 北海道産業保安監督部 電力安全課
    電話:011-709-2311
    (内線 2720〜2722)
    E-mail bzl-hokkaido-denryokuanzen@meti.go.jp

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