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令和元年度第3四半期(10月~12月)の管内における発電所主要電気工作物破損事故等について

令和 2年12月 2日
北海道産業保安監督部
 令和元年度第3四半期(10月~12月)に発生した管内における発電所主要電気工作物破損事故等について、電気関係報告規則(以下、規則という。)に基づき当部に対して3件の報告があり、概要についてお知らせします。
 主要電気工作物は、施設の運転、維持又は保安対策上必要不可欠なものとして規則に定められており、当該電気工作物の破損事故によっては、施設の機能に重大な影響を及ぼすだけではなく、道路や公園等の公共の財産に損害を与え、社会的に影響を及ぼすおそれがあります。
 したがって、発電所に電気工作物を設置する者には、上記のような損害の発生等を抑止するため、「発電用火力設備に関する技術基準」、「発電用水力設備に関する技術基準」又は「発電用風力設備に関する技術基準」に適合するよう維持、管理するとともに、万が一、当該事故が発生したときには、その原因を究明し、再発防止対策を図ることが求められています。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、本事例を参考として、事故に伴う損害を十分に認識し、発生し得る社会的な影響を踏まえ、保安意識・技術の向上や、適切な点検・計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
No.1
件名 【火力】自家用発電所 ボイラー1次過熱器管破損事故
発生年月 令和元年10月
事故発生電気工作物 ボイラー 1次過熱器管
事故の概要 ・ボイラーの給水と主蒸気流量の偏差に変化を確認。
・現場点検を実施し対流伝熱部32mFL右側面壁側にて漏洩音を確認。
・給水量が急激に増大した為、非常停止ボタン操作にてボイラ緊急停止。
事故原因 保守不備(保守不完全)
・スートブロワのドレンと随伴するダストにより経年摩耗し減肉、破孔に至った。
・支持管に取付けたL型プロテクタによる偏流も影響した可能性がある。
再発防止対策 ・スートブロワ使用回数の適正化と支持管用プロテクタの改善(L型プロテクタの廃止)

No.2
件名 【風力】自家用発電所 逆変換装置破損事故
発生年月 令和元年11月
事故発生電気工作物 逆変換装置
事故の概要 ・通常運転中、風車アラーム「発電機側過電流_瞬時要素」で停止。
・現地調査の結果、IGBTヒューズの溶断(インバータユニットのDCヒューズ2個(P,N)とACヒューズ2個(U,W相))と、U相ゲート制御基板の焼損が確認された。
事故原因 保守不備(保守不完全)
メーカーの細密点検(外観点検、 絶縁抵抗測定、 機能点検、 動作点検)周期が5~7年であったが、本事故までの稼働期間を超過するものであったためピンフィン部の汚染(熱交換能力の劣化)が原因で破損に至った。
再発防止対策 メ ーカ ーの細密点検周期5~7年を3年に見直すと共に、定期的に給水系統の汚れの確認及び定期洗浄を行うこととする。

No.3
件名 【火力】事業用発電所 ガスタービン燃焼器破損事故
発生年月 令和元年11月
事故発生電気工作物 ガスタービン 燃焼器
事故の概要 ・通常運転中、ガスタービンブレードパス温度バラツキ大(重故障)により自動停止。
・燃焼器内筒に損傷を確認。その後、類似箇所点検の結果、燃焼器内筒全18本中4本に損傷を確認。
事故原因 保守不備(保守不完全)
・ガスタービン起動停止に伴う熱応力および運転中の燃焼振動等による繰返し応力が作用し、疲労損傷に至ったものと推定。
再発防止対策 ・運転中のブレードパス温度の監視強化を図り、損傷に至る前に現れる兆候を事前に確認するとともに、前回の健全性確認から今回の損傷までの運転時間を指標として、燃焼器内筒の点検(目視点検および非破壊検査)を実施する。

お問合せ先

北海道産業保安監督部 電力安全課
電話:011-709-2311(内線 2720~2722)
メール:bzl-hokkaido-denryokuanzen★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。