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令和元年度の管内における波及事故について

令和2年 5月21日
北海道産業保安監督部
 令和元年度に発生した波及事故(※)について、電気関係報告規則に基づき12件の報告があり、概要をとりまとめましたのでお知らせいたします。

 電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。

 電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。

※一般送配電事業者の一般送配電事業の用に供する電気工作物又は特定送配電事業者の特定送配電事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧3,000V以上の自家用電気工作物の破損又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を操作しないことにより一般送配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた事故
No.1
発生年月 平成31年4月
事故発生
電気工作物
区分開閉器(定格:7.2kV200A  1993年製)
事故の状況  停電の連絡があり、現地に向かった。主任技術者の指示により電気工事業者が地絡継電器の動作業況の確認と引込みケーブルの絶縁抵抗を測定した。その後、工事業者に区分開閉器の投入を指示したところ、地絡継電器が故障していため、電力会社の地絡継電器が動作し、波及事故となった。
事故原因 故意・過失(作業者の過失)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:-kW、供給支障時間:1時間12分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策
  1. 地絡継電器が動作した場合、原因究明及び対策が明確になるまで区分開閉器を投入しない。
  2. 点検測定値に異常があった場合は速やかに対策を講じる。
  3. 高圧機器の更新計画を明確にし、適正な取替を実施していく。

No.2
発生年月 令和元年6月
事故発生
電気工作物
高圧気中開閉器(定格:7.2kV200A 2006年製)
事故の状況  電力会社の変電所で過電流継電器が動作し停電となった。
 電力会社の巡視により当該事業所の地絡継電器が焼損していることを発見し、電路から切り離した。(分岐PAS設置無し)
事故原因 自然現象(雷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:94kW、供給支障時間:2時間21分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策 避雷器の設置を検討する。

No.3
発生年月 令和元年6月
事故発生
電気工作物
高圧気中開閉器(定格:7.2kV200A 2012年製)
事故の状況  電力会社の変電所で過電流継電器の動作により停電となり、職員が調査したところ当該事業場の区分開閉器が焼損しているのを発見した。
事故原因 自然現象(雷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:432kW、供給支障時間:57分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策 避雷器の設置を検討する。

No.4
発生年月 令和元年8月
事故発生
電気工作物
計器用変圧変成器(定格:6600V/110V,20/5A)
事故の状況  仮設電源引込ケーブルの工事を終え、電力を受電するために順次PASを投入していったところ、ある系統の高圧検相器に反応がなかった。電池不良と考え電池を購入しに行ったところ付近が停電していた。原因を調査したところ、電源容量を十分に検討せずに小さい容量の計器用変成器を設置したために過電流が生じた。
事故原因 保守不備(過負荷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:-kW、供給支障時間:-分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策
  1.  仮設電源容量の決定は、既設夜間使用電力を考慮して決定すること。
  2.  仮設電源であっても過電流保護(パワーヒューズ等)及び地絡保護装置を設置すること。

No.5
発生年月 令和元年8月
事故発生
電気工作物
断路器(定格:7.2kV 200A)
事故の状況  作業のため無負荷とした分岐側のLBS(高圧負荷開閉器)を開放すべきところを、誤って負荷のかかった幹線側の断路器を開放したため、操作時のアーク発生により断路器が焼損し短絡に至った。また、この事故によって幸いにも人への被害はなかった。
 なお、電源側には過電流ロック形高圧気中開閉器 (VT内蔵)が施設されていたが、経年劣化と考えられる「過電流蓄勢動作」の不動作により波及に至った。
事故原因 故意・過失(作業者の過失)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:745kW、供給支障時間:1時間45分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:選任)
再発防止対策  特別高圧・高圧を受電・停電する際には、事前に十分な打合せを行い、事故に繋がる不安全要因を取り除くとともに、主任技術者が立会い、手順通りの作業を行う。

No.6
発生年月 令和元年8月
事故発生
電気工作物
高圧気中開閉器(定格:7.2kV 200A 2009年製)
事故の状況  電力会社の変電所で過電流継電器が動作し停電となった。
 電力会社から連絡を受けた地元の業者が、原因となった事業場を確認した結果、直撃雷により当該開閉器が破損していたことが判明した。
事故原因 自然現象(雷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:800kW、供給支障時間:1時間51分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策

No.7
発生年月 令和元年8月
事故発生
電気工作物
高圧区分開閉器(定格:7.2kV 200A 2009年製)
事故の状況  電力会社の変電所の保護装置が動作し停電となった。
 調査した結果、区分開閉器の上部に穴が開いているのが発見された。絶縁抵抗値を測定した結果、三相とも0MΩであったことから、当該開閉器が原因で停電したものと判断した。
事故原因 自然現象(雷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:148kW、供給支障時間:1時間4分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策

No.8
発生年月 令和元年9月
事故発生
電気工作物
高圧ケーブル接続箇所
事故の状況  年次点検を終え、復電するため分岐開閉器を投入したところ、電力会社の分岐開閉器が短絡により動作した。その後、電力会社の担当が再投入を行ったが投入出来ず停電に至った。その後の調査により、復電前に行う作業の「接地線取り外し」を失念していたことが判明した。
事故原因 故意・過失(作業者の過失)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:-kW、供給支障時間:-分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:選任)
再発防止対策
  1. 時間に余裕をもった適切なスケジュールの立案(作業時間が長引き、短い時間で復電作業を行うことになってしまったことも要因であるため
  2. 確実な作業手順の確認
  3. 関係者への危険に関する周知

No.9
発生年月 令和元年10月
事故発生
電気工作物
高圧気中開閉器(定格:7.2kV 200A -年製)
事故の状況  電力会社の変電所の保護装置が動作し停電となった。
 電力会社から連絡を受け、現地に出向き調査した結果、キュービクル内部のLBS電源側にてヘビが感電していることを発見した。ヘビを撤去し絶縁抵抗を測定したところOMΩであった。
 当該高圧気中開閉器の操作ハンドル軸等にさびが発生し、固着することで動作しなかったことが原因と判断した。
事故原因 保守不備(保守不完全)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:220kW、供給支障時間:1時間51分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:未選任)
再発防止対策 主任技術者を選任した。(外部委託)

No.10
発生年月 令和元年10月
事故発生
電気工作物
高圧交流ガス負荷開閉器(定格7.2kW 200A 2001年製)
事故の状況  電力会社の変電所で地絡継電器が動作し停電となった。
 電力会社から連絡を受けた職員が現地に出向き、絶縁抵抗測定をしたところ高圧開閉器本体が絶縁不良であった。当該開閉器の詳細調査の結果、雷等の異常電圧により絶縁破壊に至ったものと判断した。
事故原因 自然現象(雷)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:790kW、供給支障時間:35分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策 今後において同様な事故を防ぐべく雷対策として避雷器内蔵の屋外用過電流ロック型高圧交流気中開閉器とした。

No.11
発生年月 令和元年11月
事故発生
電気工作物
高圧気中開閉器(定格7.2kV 200A 2007年製)
事故の状況  電力会社の変電所で地絡継電器が動作し停電となった。
 電力会社から連絡を受け現地に出向き調査した結果、高圧開閉器の不良と判断した。
 調査の結果、開閉器製造時の軽微なパッキン装備不備により、経年によるゴムの劣化、ケースパッキンの位置ずれなどが複合し、開閉器内部の機密性が失われ、外気温度変化による呼吸作用により、ケース内部に水分が浸入、結露により内部地絡が発生し破損に至ったと推定された。
事故原因 設備不備(製作不完全)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:400kW、供給支障時間:2時間39分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策
  1. 無停電年次点検から毎年停電による点検を行い、設備の絶縁抵抗測定により、設備の劣化状態を把握する。
  2. 設置者の了解を得て計画的に設備の更新を行う。

No.12
発生年月 令和元年11月
事故発生
電気工作物
高圧引込ケーブル(6.6kV架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル60m㎡×3芯)
事故の状況  電力会社の変電所で地絡方向継電器と過電流継電器が動作し停電となった。
 電力会社から連絡を受けた電気主任技術者が現地を確認したところ、外壁工事の関係業者が、安全確保と高圧引込ケーブルの損傷防止のため自ら建設工事用のビニールシートを三叉管の上方から巻き付けた事実が判明。また、悪天候によってシート内に水及びみぞれが溜まり、地絡・短絡が発生したものと判明した。
事故原因 保守不備(保守不完全)
被害の状況
(事業場の概要)
供給支障電力:470kW、供給支障時間:48分
(受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態別:外部委託)
再発防止対策
  1. 設置者と電気主任技術者との良好な関係を構築し、電気主任技術者が工事等の情報を事前に把握できるようにする。
  2. 保安教育の徹底

お問合せ先

北海道産業保安監督部 電力安全課
電話:011-709-2311(内線 2730~2732)
メール:bzl-hokkaido-denryokuanzen★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。