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令和元年度の管内における感電等死傷事故について

令和2年5月21日
北海道産業保安監督部
 令和元年度に発生した管内における感電等死傷事故について、電気関係報告規則に基づき当部に対して4件の報告があり、概要についてとりまとめましたのでお知らせします。
 電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
 電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
No.1
発生年月 令和元年5月
事故発生
電気工作物
予備発電装置接続ケーブルの端子台
事故の状況  新設発電機の切替準備として、請負会社の社員が立会の下、作業員が新規高圧ケーブルの切断位置を確認するため発電機盤の函体内に入り、端子台へ高圧ケーブルを接近させた。その際に、発電機盤の扉前にてケーブル長さを調節しようとした監視員が、高圧端子台に接近し感電した。
事故原因 【作業準備不良】
 監視員及び作業員が、既存の発電機盤函体内の高圧端子部が充電されているとの認識がないため停電作業としなかった。当日の打合せで検電を行い、安全確認後作業することとなっていたが、検電を怠った。
被害の状況
(被害者、年齢)
1週間程度の入院
(電気工事従事者、-歳)
再発防止対策 1) 作業範囲の場所が、無電圧状態であることを確認するとともに、【作業中操作禁止】,【関係者以外立入禁止]等の注意喚起を表示することとした。
2) 作業員は検電により無電圧確認後、作業を開始することの周知徹底を図った。
3) 間違って操作しないよう端子台部分は、絶縁シートで覆う等措置した後に作業することとした。

No.2
発生年月 令和元年6月
事故発生
電気工作物
キュービクル内VCT・断路器・真空遮断器・継電
事故の状況  月次点検時、継電器の配線を撮影しようとし被害者の右袖が充電部に触れ感電した。
事故原因 【作業方法不良】
 月次点検の安全・保安教育で予定外の作業は行わないことにしていた。月次点検後、次回の年次点検の事前調査を思いつき、不足電圧継電器等の配線写真を撮影したい後、手を引き抜こうと充電部に触れたものと思われる。
被害の状況
(被害者、年齢)
右胸・右背中・右腕の熱傷(程度3度)
(電気主任技術者、65歳)
再発防止対策 1)月次点検を行う際は事業場の担当者に立会いを依頼する等、誰かに安全確認を行ってもらうこととした。
2)点検マニュアルを作成し、現場での危険箇所の再確認を行う特別教育を行うこととした。
3)上述の対策状況を確認するため、抜き打ちで事業場を選び、安全パトロールを毎月行うこととした。

No.3
発生年月 令和元年10月
事故発生
電気工作物
ロードヒーティング
事故の状況  ロードヒーティングの改修工事を終了し、キュービクルのブレーカーを投入し、電圧測定したところ異常な値であった。電圧異常の原因調査のためキュービクルに移動して、電圧測定を行うため、高圧ケーブルの端子にテスターをあて、相間短絡となり、アークで受傷した。
事故原因 【被害者の過失】
 被災者からの聞き取り調査で、通常では起こりえない異常電圧が測定されたことで気が動転してしまい、普通では行わない行動をとってしまったとのことで、被害者の過失と判断した。
被害の状況
(被害者、年齢)
両手火傷 3日間検査入院
(電気工事従事者、38歳)
再発防止対策 1)作業を開始する前に設計図書等により電気保安技術者から作業範囲、作業計画、手順書を提出させ、承認した作業によることを徹底することとした。
2)電気主任技術者に事前に作業内容を確認していただくと共に、設置者に対しても保安に関する打ち合わせを行うほか、場合によっては立会していただく等、協議し情報を共有することとした。
3)当初の作業計画や手順書に変更や不具合が発生した場合には、工事を一時中断し、電気保安技術者より設置者への報告を徹底させ、変更内容の承認後、作業再開とすることとした。

No.4
発生年月 令和元年11月
事故発生
電気工作物
配線
事故の状況  月次点検時、動力用変圧器の2次側負荷電流を変圧器とブレーカー間の配線にクランプメーターのクランプ部を挟み込み測定しようとしたところ、あやまって高圧絶縁電線に左手薬指が触れ感電。主任技術者は当初心肺停止していたが、心肺蘇生により呼吸および意識が回復。3日間入院したがその後退院。
事故原因 【作業方法不良】
 月次点検において、キュービクル据付けの電流計では負荷電流が小さいため正確な電流値を測定できなかった。そこで正確な電流値を計るため、直接クランプメーターを使い電流を測定しようと、キュービクル内部に体を乗り入れ、動力用変圧器一次側の開閉器(PC)と変圧器に至る高圧配線(KIP)に左手薬指を触れ、キュービクルの筐体を右手で掴んでいたことから電撃が抜けた。
 現場の床に落ちていたクランプメーターの測定範囲が400Aレンジであったことから漏洩電流でなく、負荷電流を測定する予定であったと断定。
 被災者から状況を聞いたが、当時の記憶がなかった。
被害の状況
(被害者、年齢)
電撃傷、入院加療
(電気主任技術者、66歳)
再発防止対策 1)主任技術者に対し所属団体より個別に事故発生防止策及び点検マニュアルを再教育し、安全意識の遵守を徹底する。
2)労働安全衛生規則、その他安全マニュアルに基づき、活線中の点検について、安全保護具を装備しない状態での、高圧近接点検・作業は絶対行わないよう徹底する。
 

お問合せ先

北海道産業保安監督部 電力安全課
電話:011-709-2311(内線 2730~2732)
メール:bzl-hokkaido-denryokuanzen★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。