令和 3年 7月28日
北海道産業保安監督部
北海道産業保安監督部
令和2年度に発生した管内における感電等死傷事故について、電気関係報告規則に基づき当部に対して4件の報告があり、概要についてとりまとめましたのでお知らせします。
電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
No.1
No.2
No.3
No.4
発生年月 | 令和2年4月 |
事故発生 電気工作物 |
キュービクル内低圧幹線(銅バー) |
事故の状況 | 当日は当該事業場に保管中の変圧器および進相コンデンサのPCB含有検査のため絶縁油の採取を被災者と応援者1名で行う予定であった。 被災者は、変圧器上蓋開放用のエ具を取りに一人屋上キュービクル(工具類を保管している)ヘ向かったが、しばらく戻らなかったため応援者が屋上へ様子を見に行ったところ、キュービクルの前に横たわっているのを発見した。 被害者の意識が無く、キュービクルの扉が開放状態であった事などから感電である事と思い救急車を要請し、応援者が付き添い病院に搬送された。 |
事故原因 | 【作業準備不良】 現場に取り外された絶縁監視装置本体と動力変圧器B種接地線に設置されていたと思われる変流器が取り外されていた事から、設置されている変圧器B種接地線の変流器を取り外そうと低圧動力(200V)幹線の銅バー付近に左手を挿入した際に、左手親指と人差し指の間が銅バーに触れ、更に左手小指第一関節付近および腕時計の金属部分がキュービクル金属筐体の一部に触れたため地絡短絡事故に至ったものと推定された。(事故の原因は何ら作業準備の無いまま充電中のキュービクル低圧側に不用意に素手を入れた事によるものであり、また当初予定には無い作業を行った事である。) |
被害の状況 (被害者、年齢) |
左手電撃傷、左手潰瘍 (電気主任技術者。68歳) |
再発防止対策 | 再発防止対策として作業前に必要な用具の準備、手順の確認を行い危険予知について整理しておくなど思い付きによる予定外の作業を行わない事を徹底する。 また、低圧である事への侮りを改め、日頃の点検業務を通して安全作業について意識をより高める事とする。 |
No.2
発生年月 | 令和2年7月 |
事故発生 電気工作物 |
キュービクル内母線 |
事故の状況 | 被災者は、遮断器の機器点検作業のため、6kVキュービクルから遮断器を引き出した後、作業責任者の指示の下、6kVキュービクル箱内遮断器の断路部を清掃するため同部分を隔離していたシャッターを開き、充電中の6kV母線(遮断器の断路部)に接近または接触し被災した。 |
事故原因 | 【作業方法不良】 今回発生した事故の原因は、被災者と作業責任者はキュービクルが全て停電していると誤認したためである。主な要因は以下のとおり。 (1) 不適切な停電範囲と『感電』対策の不備 全停可能なキュービクルにおいて6kV母線が充電中の状態で6kV遮断器 の点検を計画した。また、6kV母線が充電中でありながら扉の施錠、立入禁止措置などの『感電』防止対策を講じなかった。 (2) 充停電範囲・作業内容の周知不足と相互確認不足 停電作業において発・受注者が相互で共有・理解するために必要な作業カードの配布が前日となったため、受注者の確認時間が不足した。 |
被害の状況 (被害者、年齢) |
重傷(電撃傷、右第3-5指Ⅲ度熱傷他) (請負作業従事者、53歳) |
再発防止対策 | (1) 最滴な停電範囲の設定と『感電』防止対策の徹底 (2) 作業内容・充停電範囲の周知徹底 (3) 保安教育の充実と管理職が主体となった安全活動の実践強化 |
No.3
発生年月 | 令和2年8月 |
事故発生 電気工作物 |
高圧電線 |
事故の状況 | ホットスティック工法による高圧ピン碍子取替え作業で、高所作業車2台で高圧ピン碍子取替作業を開始、当該柱の2個目の高圧ピン碍子(中線)取替と巻付バインド取付け作業を完了した後、被災者は1線用ローラーの高圧線支持解除を行うため、高所作業車のバケット内で体の向きを変えようとした際、体勢を崩し咄晩に左手で高圧線(中線)を握り、右手が本柱(または支柱)に接触して感電した。 |
事故原因 | 【作業方法不良】 巻付バインド取付け作業時、一線用ローラーを使用しての作業であったが、作業範囲内の高圧線が接近限界距離(頭上30cm)以内に近づき、十分な離隔を確保しないまま作業を実施した。 作業責任者は上記作業の地上監視において、作業者が高圧電線へ近接していることに対する注意喚起や、高圧電線との離隔確保の指示が不足していた。 撤去した高圧ピン碍子を高所作業車バケット内の足元にそのまま置き、整理されていなかった。 |
被害の状況 (被害者、年齢) |
重傷(左手電撃傷、右手水疱形成) (電気工事従事者、34歳) |
再発防止対策 | (1) 一線用ローラーの適正使用の徹底 (2) 作業責任者の監視の徹底 (3) 撤去材料等の適正処理 (4) 災害発生事例周知、検討会および安全教育等の実施 |
No.4
発生年月 | 令和2年9月 |
事故発生 電気工作物 |
電力線 |
事故の状況 | 送電線下にて、2名で高所作業車の点検作業を実施していた。 被災者は、送電線の下に高所作業車を設置し、リース前の点検作業を行うため、一人でバケットに乗りブームを伸ばしたところ、送電線に接近し感電したものと推定される。 |
事故原因 | 【被災者の過失】 被災者は送電線の存在を認識していた。 高所作業車の点検は、バケット高さ12mの高所作業車まではブームを伸ばして点検し、バケット高さ20mの高所作業車についてはブームを伸ばさずに点検するルールとなっていたが、被災者は、バケット高さ20mの高所作業車であったにも関わらず、バケット高さ12mの高所作業車と勘違いして、ブームを伸ばして感電したものと推定された。 |
被害の状況 (被害者、年齢) |
後頭部(左半分)、胸左半分,左腕、左手のひら、左手の甲に火傷 (公衆、41歳) |
再発防止対策 | 送電線付近作業の安全確保の観点から、送電線付近作業について注意喚起するとともに、物理的な対策の施設について安全離隔を踏まえた設置高さなどの指導助言を行うこととした。 これまでも関係業界に対し送電線付近で作業する場合には当社への事前連絡と協議を実施するよう感電事故防止PRに努めてきており、今後も継続して感電事故防止PRを行う。 加えて、類似箇所に対して感電事故防止PRを行うとともに、送電線付近で作業する場合には当社への事前連絡と協議を実施するよう依頼する。 |
お問合せ先
北海道産業保安監督部 電力安全課
電話:011-709-2311(内線 2730~2732)
メール:bzl-hokkaido-denryokuanzen★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。
電話:011-709-2311(内線 2730~2732)
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