令和 4年 5月26日
北海道産業保安監督部
北海道産業保安監督部
令和3年度に発生した管内における自家用電気工作物の破損等により一般電気事業者の電力供給に支障を与えた事故(波及事故)について、電気関係報告規則に基づき10件の報告があり、概要をとりまとめましたのでお知らせいたします。
電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
なお、感電等死傷事故、電気火災事故並びに主要電気工作物破損事故(発電所を除く。)について、報告対象となる事故がなかった旨お知らせします。
電気工作物を設置する者には、感電、火災及び供給支障等の防止を図るために「電気設備の技術基準」に適合するよう電気工作物を設置し、維持することが求められております。
電気保安に携わる皆様におかれましては、これら事故に伴う損失・被害を十分に認識し、保安意識・技術の向上や、適切な点検、計画的な設備更新を図るとともに、自主保安体制の充実・強化に努め、電気事故の防止に役立てていただきますようお願いいたします。
なお、感電等死傷事故、電気火災事故並びに主要電気工作物破損事故(発電所を除く。)について、報告対象となる事故がなかった旨お知らせします。
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8(中間報告)
No.9
No.10
発生年月 | 令和3年4月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A 2020年製) |
事故の状況 | 新設自家用電気工作物の受電をする際に分岐開閉器投入後、高圧気中開閉器から順次投入し、キュービクルで電圧確認を行っていたところ区分開閉器から異音が発生し、停電となったので電力会社に分岐開閉器を開放してもらった。 |
事故原因 | 【故意・過失(作業者の過失)】 地絡方向継電器の電源配線が接続されずにテーピングされていたまま受電したため、計器用変成器の2次側で短絡を起こし、開閉器内の計器用変成器焼損による波及事故となった。 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:850kW、供給支障時間:9分 (受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | (1) 担当者(作業責任者)によるiPadの作業チェックリストの使用を徹底する。 (2) 保護継電器試験時には、作業前の確認及び作業後の確認は作業員2名によるダブルチェックで確認することを徹底する。 (3) 担当者(作業責任者)と作業員との竣工検査後の最終確認は、具体的に指示をして確実に実施する。(保護継電器の整定は配線の戻忘れは、特性は、等具体的に確認する。) (4)受電前の確認作業は、区分開閉器から順次実施し、受電設備すべてを確実に点検することを徹底する。 (5)新規設備の受電の際は原則2名で実施することとし、確認忘れがないように2名でダブルチェックをすることを徹底する。 |
No.2
発生年月 | 令和3年7月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV200A SOG付 2003年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が地絡並びに過電圧継電器により動作し停電となった。電力会社から連絡を受け、現地に出向き区分開閉器を開放し、停電が解消された。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 絶縁劣化していた状況のところで雷サージが浸入し絶縁破壊を起こし、短絡・地絡に至ったものと推測される。 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:546kW、供給支障時間:86分 (受電電力:6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | 避雷器の設置(LA付きの区分開閉器を設置済み) |
No.3
発生年月 | 令和3年8月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A 2010年製) |
事故の状況 | 激しい雷雨の天候下、閃光と雷鳴がした後に当該事業場一帯が停電した。電力会社が当該事業場の分岐開閉器を開放し停電が解消された。 電力会社から連絡を受け、現地に出向き調査した結果、区分開閉器が破裂・焼損しているの発見した。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 -(区分開閉器を分解したところ、電源側碍管が破損していた。) |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:-、供給支障時間:63分 (受電電圧:6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | 避雷器内蔵の区分開閉器を設置 |
No.4
発生年月 | 令和3年8月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A SOG付き2020年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が地絡継電器及び過電流継電器により動作し停電となった。電力会社から連絡を受け現地に出向いて、調査した結果、柱上に施設した気中開閉器が直撃雷により焼損し、波及事故に至ったものと推定された。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 当該開閉器の型については、メーカーが塩分の影響による発錆にて指針軸が固渋し、開放不具合が発生する可能性があると文書で周知していた。また、事故前の年次点検で不具合が確認されていたが、メーカーから周知された不具合品であるかの調査が行われていなかった。更に経年劣化による機構不良として更新要請をしていたが、具体的な設備の状況を調査せず使用を続けたことに問題があった。 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:11,887kW、供給支障時間:129分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | - |
No.5
発生年月 | 令和3年9月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A 2011年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が過電流継電器により動作し停電となった。電力会社から連絡を受け、現地に出向き調査した結果、高圧気中開閉器が誘導雷により絶縁破壊を起こし、短絡に至ったものと推定した。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 - |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:228kW、供給支障時間:159分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | - |
No.6
発生年月 | 令和3年9月 |
事故発生電気工作物 | 高圧区分開閉器(7.2kV 200A 2017年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が短絡・地絡継電器により動作し停電となった。電力会社から連絡を受け、現地に出向き調査した結果、柱上に施設した高圧気中開閉器が直撃雷により絶縁破壊を起こし、事故に至ったことが分かった。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 - |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:-kW、供給支障時間:82分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | - |
No.7
発生年月 | 令和3年11月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A 2012年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が短絡・地絡継電器により動作し停電となった。事業場から連絡を受け現場に出向いて調査した結果、構内第1柱に施設した高圧気中開閉器に落雷痕があった。 |
事故原因 | 【自然現象(雷)】 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:700kW、供給支障時間:151分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | - |
No.8(中間報告)
発生年月 | 令和4年2月 |
事故発生電気工作物 | 高圧引込ケーブル(CV) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が地絡・短絡継電器により動作し停電となった。電力会社から連絡を受け現場に出向いて調査した結果、電力会社のハンドホールの蓋が飛び、焦げ臭い匂いがしていたとの情報を得るとともに、ハンドホールからビル側に4mの箇所で高圧引込ケーブルが断裂・損傷しているのを確認した。 |
事故原因 | 【不明(調査中)】 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:-kW、供給支障時間:33分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | 原因調査結果を踏まえ防止対策を検討する予定。 |
No.9
発生年月 | 令和4年2月 |
事故発生電気工作物 | 高圧気中開閉器(7.2kV 200A 2013年製) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が地絡・短絡継電器により動作し停電となった。工事業者から連絡を受け、現場に出向いて調査した結果、柱上に施設した区分開閉器の二次側に塩分を含んだ氷雪が付着し、それが溶けて二次側で短絡・地絡が起こったものと推定した。 |
事故原因 | 【自然現象(氷雪)】 - |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:440kW、供給支障時間:43分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | - |
No.10
発生年月 | 令和4年3月 |
事故発生電気工作物 | 高圧交流負荷開閉器(LBS) |
事故の状況 | 電力会社の変電所の遮断器が過電流継電器により動作し停電となった。 事業場から連絡を受け現場に出向いて調査した結果、事業場の区分開閉器はSOG制御装置のGRとSOGの動作はしていたが、開閉器は開放せず、波及事故に至った。 キュービクル内のLBSはPFが溶断しストライカ機構により開放され、上部が焼損していた。設置者に当時の状況確認したところ、事務所の照明が暗くなり、数秒後キュービクル内で光り音がしたとのことであった。 |
事故原因 | 【保守不備 (保守不完全)】 吹雪によりキュービクル内へ雪が入り込み、高圧部で地絡が発生しその後短絡へ移行したと思われますが、区分開閉器の不具合により開閉器が動作していませんでした。 事故原因について検討した結果、最終的に柱上に施設した気中開閉器の取付方法に誤りがあったことを、これまでの月次、年次点検で確認していなかったことが根本的な原因であると判断した。 |
被害の状況 (事業場の概要) |
供給支障電力:256kW、供給支障時間:79分 (受電電圧6.6kV、電気主任技術者の選任形態:外部委託) |
再発防止対策 | (1) 竣工検査時、区分 開閉器の取付方向が間違いなく正常か確認 する 。 (2) 保安管理業務受託時や月次・年次点検時に区分開閉器の取付方向が間違いなく正常か確認する。 (3) 塩害が懸念される事業所は、年次点検時に絶縁部を十分に乾拭きする等点検の充実を図り、機器更新を早める。 |
お問合せ先
- 北海道産業保安監督部 電力安全課
- 電話:011-709-2311(内線 2730~2732)
-
メール:bzl-hokkaido-denryokuanzen★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。