令和8年の年頭にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。 旧年中は、産業保安行政に対し格別の御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、令和7年を振り返りますと、北海道は多くの自然災害に見舞われました。2月には十勝地方において記録的な大雪、7月には9年ぶりとなる北海道への台風上陸、同じく7月にはカムチャッカ半島地震の影響による津波、9月には北海道では初めてとなる線状降水帯が発生しました。12月には青森県東方沖を震源とする地震や津波が発生し、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表されました。さらに同月には太平洋側からオホーツクにかけて暴風雪が発生し、全面復旧まで数日を要する大規模な停電が生じたところです。
このように自然災害が絶え間なく発生する中で、被害の未然防止や迅速な復旧に向けて昼夜を問わず尽力されている関係者の皆様に心より感謝申し上げます。我々も今後発生が懸念される「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震」を始めとする自然災害への対策、特に厳寒期におけるライフラインの早期復旧など、自治体、他省庁及び関係事業者の皆様との一層の連携強化による防災体制の重要性を改めて認識しております。
また、現在、我が国の経済は国際秩序の変化や人口減少、少子高齢化に直面し、気候変動問題やデジタル化、経済安全保障への対応が求められています。このような中で、「危機管理投資」を成長戦略の柱に掲げております。安全の確保は経済活動とその持続的成長の大前提です。産業保安分野においては、自然災害に加えて、設備の高経年化、保安人材の不足等の課題が顕在化しております。このため、IoTやビッグデータ、AI、ドローン等の新たなテクノロジーも導入し、保安レベルの維持・向上を図るための取組を進めていくことが重要と考えております。
このような状況を踏まえ、当部においては以下の取組を実施してまいります。
都市ガス保安分野においては、昨年は負傷者を伴う事故は発生しなかったものの、ガス消費機器との接続部からのガス漏えいによる火災事故等が発生しました。「ガス安全高度化計画2030」に基づき、ガス事業者や需要家と協働し、安全・安心な社会の実現に向けた取組を継続してまいります。
火薬類保安分野においては、昨年は事故が発生しなかったものの、LPガス保安分野では落雪に起因する漏えい、高圧ガス保安分野では冷媒に使用される高圧ガスの漏えい等が発生しました。引き続き、関係機関と連携し事故再発防止に向けた取組を実施してまいります。
電気保安分野においては、感電や波及事故、発電設備の破損などが発生しました。事故の原因究明や関係事業者への注意喚起や情報発信等を通じて、事故防止に向けた取組を強化してまいります。
鉱山保安分野においては、令和5年4月から開始した「第14次鉱業労働災害防止計画」に基づき、鉱山災害の撲滅を目指し、各鉱山が行う鉱山保安マネジメントシステムの有効性向上に資する自主的な取組を引き続き支援してまいります。
また、令和6年5月に「CCS事業法」が成立し、同年11月には試掘に関する規定が施行されました。北海道管内では昨年11月から苫小牧市沖において試掘が進められており、公共の安全確保及び災害の発生防止等、保安の確保を支えてまいります。
鉱害防止分野においては、稼行中の鉱山に加え、令和5年4月から開始した「特定施設に係る鉱害防止事業の実施に関する基本方針(第6次基本方針)」に基づき、地方公共団体や鉱業権者等が行う休廃止鉱山の鉱害防止事業の着実な実施を引き続き支援してまいります。
結びに、皆様の益々の御発展と御安全を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。